友達探し23日目 ページ24
「……お友達、か。その子はどんな子なの?」
『え?うーん……。……普段は適当にあしらわれたり冷たくされたり莫迦とか阿呆とか云われたりするんですけど、本当は動物好きで優しい子なんです』
「そう。その子の事、好き?」
『大好きです』
にこりと笑った新美に、モンゴメリは「そっか」と返す。言葉は素っ気ないが、その顔は何処か嬉しそうだ。
それからは双方とも、一言も会話を交わさなかったらしい。
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「済みません、乱歩さん……失敗しました」
横たわる谷崎が云う「失敗」は、マフィアの首領の暗殺の事だ。首領の暗殺に向かった彼は一度尾崎紅葉に殺されかけたが、鏡花に助け出されてなんとか一命を取り留めていた。
___探偵社はあの後、マフィア説得の為に谷崎を病院に残した。共喰いの「規則」を変え、誰も死なずに済むように。
……が、ドストエフスキーにその気の緩みを突かれた。
詰まりーー全て「ごん」と新美Aの推測した通りになってしまったのだ。まんまと罠にはまり、既に無関係の少女が一人死に…………国木田は其のせいで心を病んだ。
「まぁいいさ。マフィアの様子は?」
「首領を地下避難室に移送させているみたいです」
「彼処には……忍び込めない」
冷静な乱歩。透き通るような目で伝える賢治。難しい顔をする鏡花。
各々の表情や気持ちは異なる。が、其の根本にある気持ちは同じだった。
『二人を助ける』__それだけだ。
「正面から強行突破するしかないな」
「でも乱歩さん、先刻来た連絡では社長は「マフィアとは戦うな」と……」
敦の言葉に全員が反応した。
「死に瀕している社長の命令です。矢張りウイルス異能者を捕らえる別の手を、」
「それはもうやった」
「ですが…………」
「……全く……善いだろう。お前達が一万年悩んで出す結論を予め教えてやる」
そう。探偵社員は皆頭では分かっている筈だ。「社長の命令は絶対だ」と云うことに。
……だが、今は状況が特殊過ぎる。
「
「ーー乱歩さんでも?」
「僕だから分かるんだ。……とは云え、これは立派な命令違反だ。だから参加するか否か自分で決めろ」
「……それはマフィアと戦うか、退くかの二択を今選べと?」
国木田がやっと言葉を発する。彼の''理想''はーーもう折れる寸前だった。
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みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ!!!!やっちまったぜスライディング土下座ーーーー!!!!(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん!かなり前にも言ったが“弁別”よ!!不覚にも吹いたその二よ!!!← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)bグッ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みず | 作者ホームページ:http://twpf.jp/uranai_mizu
作成日時:2018年4月3日 19時