友達探し13日目 ページ14
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『というわけでこんにちは桜庭ちゃん!さあさあ今日こそ友達になってもらいますよーっ』
首領の部屋の前で待ち伏せしていた新美Aは、件の相手が出てくる途端に目を輝かせた。うげ、と桜庭は顔をしかめる。
「今日も来たんかい。……一体何時まで来る
『勿論友達になってもらうまで!』
「……チッ」
『ふふ。聴こえるように舌打ちしても無駄ですよ?』
満面の笑顔を崩さずにいる新美Aに「もう本当に面倒臭い……」と呟いてから、桜庭は口を開いた。
「………………あのさ」
『はいっ』
「アンタがご執心の名探偵、……一人にして善いの?」
『…………ふぇっ!?ごごごご執心だなんてそんな恐れ多い……!!!わわわわわ私はそういうんじゃなくて、そ、そ、その……っっ!!!』
カーッ……とAは顔を一気に赤くする。その様子に今度は悪魔の方がにっこりと微笑む。悪魔のスイッチ入ったな此奴。←
『……そ、それに……名探偵さん、最近忙しそうでしたし……。邪魔しちゃ悪いかなって……』
「…………」
『…………いっ、いひゃい!いひゃいれすさくらはちゃん!!』
桜庭はぐいぐいと彼女の頰を引っ張った。まったくこのやろうは。
……新美Aの恋愛思考回路は一応年相応の物ではある(本人談)。
が、名探偵の圧倒的な親バカぶりには全く気がついていないらしい。申し訳なさそうにちょんちょんと人差し指をつっつきながら顔を俯かせる行為がそれを証明していた。
『……あと、私の異能力じゃ名探偵さんのこと、皆さんみたいに守れませんし……』
「異能力?」
『はい。《ごんきつね》って云う能力なんですけどね。……あんまり戦闘向きじゃないかなー、なーんて……』
「待て待て待て。……ごんぎつねって云ったよな。それどんな能力よ?」
ぐっと桜庭は顔を近づけた。心なしかその顔は少し紅潮している様に見える。
『え?狐のごんを呼び出すことができる能力、みたいな……』
「見せて」
『……へっ』
「見せて」
『い、いやあの落ち着い』
「 見 せ て ? 」
『……はぁい』
怖い。怖いよ桜庭ちゃん。
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みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ!!!!やっちまったぜスライディング土下座ーーーー!!!!(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん!かなり前にも言ったが“弁別”よ!!不覚にも吹いたその二よ!!!← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)bグッ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みず | 作者ホームページ:http://twpf.jp/uranai_mizu
作成日時:2018年4月3日 19時