検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:39,444 hit

友達探し13日目 ページ14




『というわけでこんにちは桜庭ちゃん!さあさあ今日こそ友達になってもらいますよーっ』


首領の部屋の前で待ち伏せしていた新美Aは、件の相手が出てくる途端に目を輝かせた。うげ、と桜庭は顔をしかめる。


「今日も来たんかい。……一体何時まで来る心算(つもり)?」

『勿論友達になってもらうまで!』

「……チッ」

『ふふ。聴こえるように舌打ちしても無駄ですよ?』


満面の笑顔を崩さずにいる新美Aに「もう本当に面倒臭い……」と呟いてから、桜庭は口を開いた。


「………………あのさ」

『はいっ』

「アンタがご執心の名探偵、……一人にして善いの?」


『…………ふぇっ!?ごごごご執心だなんてそんな恐れ多い……!!!わわわわわ私はそういうんじゃなくて、そ、そ、その……っっ!!!』


カーッ……とAは顔を一気に赤くする。その様子に今度は悪魔の方がにっこりと微笑む。悪魔のスイッチ入ったな此奴。←


『……そ、それに……名探偵さん、最近忙しそうでしたし……。邪魔しちゃ悪いかなって……』

「…………」

『…………いっ、いひゃい!いひゃいれすさくらはちゃん!!』


桜庭はぐいぐいと彼女の頰を引っ張った。まったくこのやろうは。

……新美Aの恋愛思考回路は一応年相応の物ではある(本人談)。

が、名探偵の圧倒的な親バカぶりには全く気がついていないらしい。申し訳なさそうにちょんちょんと人差し指をつっつきながら顔を俯かせる行為がそれを証明していた。


『……あと、私の異能力じゃ名探偵さんのこと、皆さんみたいに守れませんし……』

「異能力?」

『はい。《ごんきつね》って云う能力なんですけどね。……あんまり戦闘向きじゃないかなー、なーんて……』

「待て待て待て。……ごんぎつねって云ったよな。それどんな能力よ?」


ぐっと桜庭は顔を近づけた。心なしかその顔は少し紅潮している様に見える。


『え?狐のごんを呼び出すことができる能力、みたいな……』

「見せて」

『……へっ』

「見せて」

『い、いやあの落ち着い』

「 見 せ て ? 」

『……はぁい』


怖い。怖いよ桜庭ちゃん。

友達探し14日目→←友達探し12日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ!!!!やっちまったぜスライディング土下座ーーーー!!!!(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん!かなり前にも言ったが“弁別”よ!!不覚にも吹いたその二よ!!!← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)bグッ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みず | 作者ホームページ:http://twpf.jp/uranai_mizu  
作成日時:2018年4月3日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。