▼わけありお姫様 ページ39
sin_side
珍しくグルッペンから呼び出されて、指定の物を持って総統室へと向かう。
適当に3回ドアをノックしてドアノブを捻った。
中には(当然)グルッペン 、それからロボロ。そしてヴェネマーレア王国のお姫様が机を囲んでいた。
「ロ〜ボロ、何してるの？」
「ぺ、ぺ神！？なんでココに…！」
ニコニコ笑って可愛いロボロの頬っぺを撫でると、彼は鳥肌を立ててズザザッと身を引いた。ひどいなぁ。
あんまし状況の飲み込めてないお姫様が、困った顔しつつも俺に頭を下げてくれた。礼儀の良い子だ。
「こんにちは、A王女」
『ご機嫌ようございます。えっと…』
「あぁ、俺の名前わかんないよね。しんぺい神です」
緩く自己紹介をすると、彼女は小さく俺の名前を繰り返した。《様》って付けられるとなんか凄い偉い人みたい。
「で。俺は何で呼ばれたの、グルッペン」
「うん。コイツの治療を頼みたくてな」
くいっと親指で差す先にはA王女。
指差された本人はまるで時が止まったかの様に、その身を硬直させていた。
「え、姫さん怪我しとるんか…？」
「なんだロボロ気づかなかったのか」
『な、なんで…』
そういう事ね。益々挙動不審になる王女にグルッペンは「舐めるな」とでも言わんばかりの表情だった。
「ごめんね〜、ちょっと診るね」
「右手首だ」
「はいよー」
手早く彼女の右腕を持って袖口のボタンを外す。すると、その白魚のような細腕には似合わない包帯が顔を見せた。
「これ取るね？」
『は、はい』
「わっ、随分切ったね。どうしたの？」
スルリと包帯を解くと中には痛々しい切り傷が。自傷跡っぽいそれにロボロの顔がくしゃと歪められた。
『ペーパーナイフが当たってしまって…』
「当たった？自分で切ったんじゃないんだね？」
『事故で、その、私がよろけてしまって』
「え、何その状況」
どうして怪我に至ったのか想像が出来ないが、とりあえず自発的なものじゃないと知って胸をなでおろした。
幸いにも傷は深くない、きちんと薬を塗れば跡も残らないだろう。
「お薬塗るね」
『す、すみませんほんとに』
よっぽど焦っているのか町娘みたいな喋り方をする王女は、年相応に女の子だ。
「薬は継続して塗らなきゃだから、渡して」
「ダメだ」
渡しておくね、と言おうとしたのを遮られる。
どうしてだと言い返そうとした俺に無言で首を振るグルッペン、ロボロも隣で頷いている。
「(成る程、なんか訳ありなわけね)」
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
