【合作】 アリアー始まりの物語ー

★＆☆ ページ23

蓮side



葵が、スパーン！と扉を開けて入ってくる。その後ろからおどおどしながら小夜が入ってきた。



話を聞いて、単純にすごいなと思った。



ピアノが弾きたい。心からそう思っていても、親の離婚の責任を取ってピアノを弾かないなんて。



俺だったら、何にも考えずピアノを弾いていたと思う。





葵がこいつを必要以上に心配する理由がわかった気がした。



小夜は、弱い。もろくて、触れたらすべてが消えてなくなりそうなくらい、弱い。






だから、心配してしまう。





彼女と話しているうちに、絶対王者・宇都宮 小夜のことにだんだん興味をひかれてった。





それと同時に絶対王者への遠さを、見せつけられた気もした。




こいつのこと。もっと知りたい。




瞬間的にそう思った。




俺は、親から預かったビデオメッセージを小夜に見せた。



『もう泣いていいんだ、ピアノを弾いていいんだ』




というため。




彼女は泣いた。




が、「私ピアノやりたい！だから、お父様に話すよ！」


と、顔を上げ、微笑んだ彼女はとても綺麗だった。






「がんばれ！宇都宮 小夜＿」





俺は叫んだ。




単純にこいつを応援したいと思ったから。

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