そのじゅうなな。 ページ17
「大丈夫か？」
医務室でぐったりとしてた私のもとに、背の高い青年が見下ろしていた。私は驚いて、彼を凝視する。
「え、あ、だ、だれ？」
「おいおい、ショックで俺の顔を忘れちまったのか？」
「……」
「冗談だろ、パンジー。エイドだよ。エリドリアン。お前の従兄じゃないか」
「あ、そう、そうだった。ちょっと混乱してたみたい」
「……そうか？」
微妙な顔をして、エイドという人はベッドにドスンと座った。いとこ、ということは、"パンジー"のことをよく知っている可能性がある。
「ぶっ倒れたって聞いたけど、大丈夫か？」
「あの、倒れたわけじゃないよ。ちょっと気持ち悪くなっただけ」
「そうか、気をつけろよ」
にゅっと伸びた手が、わしわしと乱暴に頭を撫でる。私が驚いて目をつぶれば、エイドさんはますます不思議そうに頭を傾げた。
「まあいいや。お前なんでグリフィンドールなんかに入ったんだよ」
「え、なんで？」
「なんでって、お前が毛嫌いしていたんだろ。あんな奴らと同じ空気を吸いたくないって」
「……」
私になる前の"パンジー"は一体全体どんな女の子だったのだろうか。とんでもなくひねくれた、というかひねくれたという言葉で済ませていいのかもわからない。ダフネやモリーの言っていたことを合わせても、相当な差別主義者だろう。
「で、なんで？」
「帽子が、選んでくれたからだよ」
「お前は、雰囲気変わったな」
「え？そんなこと、ないと思うけど……」
「そうか？まあいいけど」
怪しまれないようにそう言ったけれど、きっともう遅いだろう。私は彼の知るパンジー出ないことは私が誰よりも知っているのだから、
「元気なさそうだな。大丈夫か？」
「あ、うん」
「……まあ、気持ちはわかるよ」
「え？」
「お前はこれから文句と陰口ばっか言われるだろうからな」
「え？」
なんで？と聞く前に、エイドさんは話続けた。なんとなく口をはさめなくて、私は困惑したまま彼の顔をじっと見つめる。
「まあ、それでも俺はお前の味方をしてやるよ。大事な妹分だしな」
「……」
なんだあ、そのイケメン的な言葉は……と思わず感動する。しかし私は驚いて、返事をすることができなかった。
「聞いてんのか、パンジー」
「え？あ、あうん。ありがとう」
弾かれたようにそう言うと、エイドさんは医務室を出て行った。その後姿を、私は不思議な気持ちで見つめていた。
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あんころころもち@多忙(プロフ) - 星さん» コメントありがとうございます❤️ 等身大の女の子が作りたい〜って思って作ったので、そう言っていただけるとすごく嬉しいです！ すごくゆっくり更新ではありますが、精一杯頑張ります！ (2023年2月13日 13時) (
レス) id: 54c52f82c3 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2023年2月4日 17時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - るるさん» わ〜嬉しいです！正直題名が安易で面白くなさげかな〜と思っていたので、そう言っていただけるとテンションが上がります！💕💕更新は遅くなってしまうとは思いますが、精一杯頑張りますので、ぜひよろしくお願いします！ (2022年1月9日 13時) (レス) id: e3a1ddbb66 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごく面白そうと思いひらいてみたら自分好みの作品でした！この作品に出会えて良かったです！😍 これからも頑張ってください😊😊 (2022年1月7日 22時) (レス) @page15 id: 9de77796a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月21日 11時
