Halloween Party 3 ページ5
皆の影に隠れて、撮影部屋の一番奥には伊沢さんらしき姿が。
必死になってその姿を見ようとすれば、なんとそこにはあまりにも素敵すぎるヴァンパイアがこちらを振り返るのだった。
真っ白いYシャツに、黒い蝶タイを締めて。
さらにカチッとした暗めな色のベストに、同色のズボン。
黒い光沢のある襟の立ったマントをなびかせ、白い手袋をはめた彼はまさにヴァンパイアそのものだった。
この世に存在するのが信じられないほど格好良すぎるその姿に、私は感激のあまり声を失った。
「これどこか変じゃないかな?」
彼は自分の姿をチェックしながら私に声をかけてきてくれたのだが、硬直する私はそれに何の反応も返すことができない。
「Aちゃん?」
ふと彼に名前を呼ばれたことでハッと我に返った私は、懐から素早く自分のスマホを取り出した。
『写真を撮ってもいいですか!?!?!?』
大興奮の私は彼の了承を得る間もなくカメラアプリを起動し、角度を変えて何度も何度も彼を連写した。
やばい、幸せすぎる!
本来こういう時にノリノリでポーズを決めてくれるタイプの彼だが、私の勢いに圧倒されたのかひたすらぽかんと口を開けている。
その光景を端から見ていた他のメンバーも、彼と同じような表情を浮かべていた。
『次は皆さんも!』
私は呆然と立ち尽くす皆の腕をぐいぐいと引っ張り、カメラに収まるよう立ち位置を調整。
正面から斜めから上から下からとさまざまなアングルで彼らを写真に収めた私は、達成感と満足感からふうと幸せの息をついた。
「やばい…久々にAちゃんのQuizKnockオタクっぷりを見ちゃった…」
「ライターになって結構立つのに、未だにオタクなんだね…」
と河村さんとふくらさんのコソコソ話がうっすらと耳に入ってきたが、それに対して何とも思わないくらいには私は彼らに釘付けで。
ようやく私の興奮した様子に慣れてきた彼らは、徐々に自分の仮装したモチーフのポーズを取ってくれたのだった。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年10月28日 21時