One day on the weekend in October. ページ1
10月のある休日、一人でぶらりと買い物に行くと、街中は黒とオレンジの怪しげな装飾に包まれていた。
そうか、もうハロウィンの季節かぁなんて呑気なことを考えながらカフェに入ると、隣の席の女子高生がハロウィンに何の仮装をするかで盛り上がっていた。
「ゾンビナースやりたくない!?」
「傷メイクめっちゃムズそうじゃん?」
「血糊買えばイケるっしょ!」
いいなぁ、楽しそうだなぁ。
勝手にほっこりしながら、私はその様子に聞き耳を立て続ける。
「そしたら彼氏に白衣着せよーっと」
「彼氏もゾンビにすんの?」
「当たり前じゃん!私だけゾンビとか意味わかんない!」
それは確かにそうだ。
うんうんと一人頷いていると、ふとここで私の脳内に仮装をするメンバーの姿が思い浮かんだのだった。
吸血鬼、狼男、ミイラ男…
誰がどの仮装に似合いそうかなんて考えていたら、オシャレなカフェで一人ニヤニヤと気味の悪い笑みを漏らしてしまっていることに気がついた。
必死に顔を取り繕いながら、私の頭の中には一つの結論が導き出される。
これは皆でハロウィンパーティーをするしかないのでは???
私はすぐさまふくらさんに連絡を取り、パーティーがしたい旨を伝えた。
意外や意外、お金のかかることなので却下されるかとも思っていたのだが、案外あっさりとOKをもらうことができた。
(但しパーティーの途中で撮影をするので、私が企画考案を担当するという条件付き)
よし、と店内でガッツポーズを決める私。
あとは衣装の用意とお菓子の用意と…あ、企画も考えなきゃ。
やることが山積みだが、何よりも楽しみという感情が勝っていた。
早く10/31にならないかなぁと考えながら、私はすっかりぬるくなったミルクティーを口に含むのだった。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年10月28日 21時