ダイエット奮闘記。5 ページ5
「Aちゃん!一緒にごはん食べに行かない?」
ふと背中をぽんと軽く叩かれ、私はビクリと身体を大きく震わせた。
振り返ればそこには、伊沢さんの笑顔が。
彼からのお誘いはすごく嬉しい。
最近2人でごはんを食べる機会も少なかったので、物凄く行きたいという思いはあった。
ただ、外食はカロリーが…。
葛藤する私の様子を見ていた彼が、不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?お腹空かない?」
いえ、物凄く空いてます。
もはや空きすぎてそんな感覚もなくなっているくらい…
『…行きます!』
決意を固めた私が、できるだけいつも通りに微笑む。
伊沢さんは一瞬だけ何か違和感を抱いているような表情を浮かべたが、すぐにまた笑って私の手を取ってくれたのだった。
「ふくらさん!俺ら夕飯行くから!」
「いってらっしゃーい」
作業中のふくらさんが、お菓子を片手に私達に声をかけてくれる。
ふくらさんはお菓子を食べても太らなくていいなぁ…。
彼を羨ましく思いながら、私達はオフィスを後にした。
外に出た瞬間、
「さて、何食べようか」
伊沢さんが子どものようにはしゃぎながら私の目を覗き込んだ。
できればカロリー控えめのものを、と言いたかったが、私の食事制限に彼を付き合わせるわけにはいかないと、その言葉を飲み込む。
『あっさりしたものがいいです』
そう、あっさりしたものは比較的カロリーが低い(傾向にある気がする)。
ここで伊沢さんとのごはんということで羽目を外してしまっては元も子もない。
伊沢さんはそれを受け、うーんと悩んでしまった。
あっさりしたものとは選択肢を狭めたようであまり狭まっていないことに、言ってから気づく私。
「とりあえず、お店のある方に行こうか」
彼の一言で、私達は再び歩き出した。
大通りの方へと向かっていくと、道の並びにはいくつかの飲食店が見えてくる。
しかし。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年9月22日 20時