予測不能すぎる彼女の取り扱い方。【QK】 (ページ7)

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予測不能すぎる彼女の取り扱い方。7 ページ7

半分ほど食べたケーキを、再びもそもそと食べ出す彼女。
マグカップに入った紅茶はすっかり冷めてしまったが、彼女はまったく気にする様子もなくそれを飲み干した。

「俺のも食べていいよ」

せめてもの罪滅ぼしに、と俺の目の前にあった皿をずいと彼女の方に持っていく。
彼女は俺の方を一瞬だけチラリと見た後、てっぺんの苺を摘み口に含むのだった。

ケーキなんて放っておいても良かったのに、わざわざ俺の手を取って一緒にこちらに戻ってきてくれたのは、彼女の食い意地なのか俺への義理なのか。

おそらく後者な気がする。
律儀な彼女のことだ、俺が自分のために買ってきたものを無碍にはできなかったのだろう。

そんな素直なところも好きだなぁなんて思いながら、俺は彼女をジッと見つめていた。

最後の一口を口に入れ、すべてを平らげた彼女は、決して俺の目を見ようとはしなかった。
こんな事態になってしまったことを気まずく思っているのだろうか。

俺のことを気遣い、モジモジしながら俯く彼女がどうにもいじらしくて。

思わず笑みをこぼしながら、俺は両手を大きく広げた。

「おいで」

できるだけ優しい声でそう言えば、彼女は遠慮気味にだがゆっくりと俺の胸に飛び込んできた。

だが、俺の胸元に顔を押し付け決して表情を見られないようにしている。

俺からハグは受け入れるのに、いまいち素直になりきれない彼女にまた俺は笑ってしまって。

ゆっくりと頭を撫でながら、穏やかな声で彼女に語りかけた。