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予測不能すぎる彼女の取り扱い方。3 ページ3

「Aちゃん…なんかいつもと違う?」

ぽろりと口から出たその言葉に、彼女は敏感に反応してみせた。

『え!?分かるんですか!??』

何が決定的に違うとは言い切れないのだが、それでも何かが違うことだけはかろうじて分かった。

『実は、ちょっとだけお化粧の仕方を変えてみたんです』

えへへ、と照れ笑いを浮かべる彼女。

なるほど、言われてみれば確かに少しだけ瞳の感じが違うような。
唇も、いつもはほんのりピンク色だった気がするが今日は若干赤みが強い。

女の子は化粧一つでこんなにも印象が変わるものなのかと感心しながら、俺は彼女の顔をじっと見つめる。

いつもより服装がシックなのも、化粧に合わせたのだろうか。

『伊沢さん?』

彼女の声でハッと我に返った。
穴が開くほどジッと見つめられては、彼女もさぞ居心地が悪いだろう。

「ごめんね。食べよっか」

俺はそう言ってケーキを皿の上に乗せる。

今日も彼女は可愛い。
だが、なんだか今日は雰囲気も服装も心なしか大人びている気がして。
彼女なのに、彼女でないような。

そんな複雑な心のまま、俺はケーキを乗せた皿を彼女の前に置いた。

「好きな方選んで良いよ」

それを告げると、彼女は本気で悩み出してしまった。
あまりに真剣すぎるその顔に、俺は笑いを堪えることができない。

「俺の一口あげるから、そんなに悩まないで」

そう声をかければ、彼女は満開の笑顔でチョコレートケーキを指差した。

やはり自分の選択は間違ってなかったことを誇らしく思いながら、彼女にケーキの乗った皿を差し出す。

『いただきまーす!』

「はい、どうぞ」

子どものようにはしゃぎながら、彼女はフォークを握り、ケーキを一口大に切り分けた。
それをぱくりと口に含むと、幸せそうに笑みを漏らす。

あぁ、やっぱり彼女の笑顔を見ている時が俺にとって1番の至福だ。

自分でも目の前の真っ白いケーキにフォークを入れ、一口食べてみたが想像以上に美味かった。

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設定タグ:QuizKnock , 伊沢拓司 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年5月31日 20時

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