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笑わない君に、恋をして。5 ページ5

それから特に何かが起きるわけでもなく、3月某日文学部の卒業者発表が行なわれた。

川上さんと、すでに済んでいた法学部の卒業者発表により、正式に卒業が決まったこうちゃん。
彼らはホッと胸を撫で下ろしたようだったが、私は素直に2人におめでとうが言えなかった。

彼らが東大を卒業しても、Quizknockの社員として引き続き在籍する。

学内で彼らを見かけなくなること以外は、今までと何ら変わらないはずなのに。
何かが変わってしまう気がしてならなくて、私は複雑な気持ちで彼らが喜ぶ様子をぼんやりと眺めていた。

「卒業式前に、視聴者さん達に向けてTwitterでYoutube卒業を発表しようと思います」

川上さんが伊沢さんにそれを告げる。
伊沢さんは真剣な顔で一つ頷くだけだった。

発表したら、本当に終わり。
彼をYoutubeで見られる機会は完全に無くなる。

その瞬間に、どうしても私は立ち会いたかった。

『川上さん。発表の際はここでツイートしていただけませんか』

私が静かな口調で彼にお願いをする。
彼はそれにこくりと頷いて見せると、

「俺も元からそのつもりだった」

と小さく呟くのだった。
皆もそれに立ち会いたいということで、それぞれのスケジュールを確認し合い、オフィスに集まる日を決めた。


2020年3月17日。

皆が珍しく神妙な顔をしながら、その時を見守っていた。
川上さんも少しだけ緊張しているようだった。

私はすでに泣きそうになっていた。
こうちゃんも山本さんから「早いよ(笑)」と笑われるほどに。

21時きっかりに川上さんは卒業の旨をツイートした。

すぐにフォロワーの皆さんから今までの活動を労ったり、卒業を惜しむような温かいコメントが続々と寄せられた。

私も泣きながらそれをいいねした。
その場にいたメンバーの皆も彼に「お疲れさま」と声をかけた。

私は涙で声が詰まって伝えることができなかったが、彼はそんな私を見てふっと笑うのだった。

「これからまたよろしくな!新編集長!」

須貝さんがその場の空気を変えるように、大きな声で彼にそう言った。

「後からYoutuberに戻りたいって言っても遅いですからね!」

こうちゃんも横から激を飛ばす。
山本さんは隣でニコニコしていて、ふくらさんと河村さんも微笑みながら「頑張れ」と声をかけていた。

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設定タグ:Quizknock , 川上拓朗 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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Annie(プロフ) - 217さん» ありがとうございます!共感していただけて大変恐縮です…!お話も楽しんでいただけて本当に嬉しく思います。これからも少しでも楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします! (2020年5月13日 12時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
217(プロフ) - いつもお話を拝読している者です。いつも楽しく読ませてもらっています…!今回のお話があまりにも自分の気持ちを代弁してくれていたので我慢できずにコメントを書いてます。どのお話もだいすきです。これからも応援しています…! (2020年5月13日 0時) (レス) id: cc2f607952 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年5月12日 12時

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