inverse

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タップしちゃった！

え！？これ、出なきゃいけないパターン？
いや、ま、出なきゃだめよね？
うっかり切っちゃうとか…無いよね？


…うん。無いな


「は…「A！？」」

「う…「A！？聞けてたら返事して？」」


うん。しようとしてるよね？
私？
ドンへが被せてきてるだけだよね？


「だか…「あ！やっと声が聞けた(笑)」」


アハっじゃないし…

っていうか、さっきも思ったけど、なんで番号知ってるの？


「あの…「あのさ、A忘れ物してるから
届けに行くよ」」

「え？「手帳、大事なものだろ？
で、もうすぐそっちに着くから(笑)」」


アハっじゃ無くて


「なんで住「手帳に住所書いてるとか(笑)
相変わらずAって真面目で几帳面(笑)」


って、中見たの？！
イヤイヤ、忘れていった私が悪い？
よね？

うん。私でもきっと見たと思う
捨てていいものか？
とか、確かめるために


てかぁ…
あの、若干乙女な手帳…


「A？聞いてる？」

「き…聞いてる」

「良かった(笑)
あ、ちょっと待って？」

「うん」


なんか、すっかりドンへのペース…
なんだけど


「ごめん、えっと…
あ！ここか(笑)」


次の瞬間、インターフォンが鳴って


「早く開けて！
人が来る！」


って…
もう、エントランスまで来てるの？
マジ…で？


「早く早く！」


ドンへの声に流されるように
エントランスの解錠ボタンを押してた


「サンキュ」


サンキュって…
すっごい爽やかな声だったけど…

あの…さ
私、すっごい格好してるよ？


ひっつめ髪で
メガネで
スッピンで
着心地だけ重視したトレーナーと
デニムで…


って言うか…数…分？
数…秒？


着替え…


る暇もなかった…


もう一度鳴るインターフォンの音と
ドンへの


「A〜」


って声
居留守とか…
使えるわけもなく


ジヘ…くらいにしか見せてない
最悪の格好で出迎えることに…
成ってしまった…


想い出は綺麗なままに…



とか

無理な話よね

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