inverse

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なんて間抜けな言い訳を…

ポカンとした顔のドンへ…

そりゃぁ、まぁ、そうなる…よね。うん


「痛いの？」


返ってきたのは予想外の言葉で
今度は私がポカンとする番


「え？」

「目、痛い？」


心配そうに覗き込んできて
ちょ！近い！
思わずちょっと仰け反って


「あぁ…うん」

「外しちゃいなよ？」


下から覗き込むように見上げるドンへは
なんだかどこかで見たことがあるような…
そんなこと絶対にないんだけど


「無理だよ？」

「あぁ…外すと
このっくらいの距離でも
見えないんだっけ？」


ってまたグイッってキスでもされる？！
ってくらい近くまで顔が近づいて


その顔の破壊力は…
あの頃から変わらない


「あぁ…うん。そう」


その距離のまま
うーん…って考えてたドンへの顔が急に
ぱぁって笑って

眩しっ

キラキラしてる


思わず目を閉じると


「やっぱ痛いんだ…
外しなよ。俺が家まで送ってくから

この部屋の中くらいなら
ぼんやりしてても過ごせるだろ？
外に出たら手を繋いだらいいし！」

「でも、ドンへ
私の家知らないよね？」

「ん？知らない
案内してよ」

「ね(笑)
なら、自分で帰ったほうが早い」


だって、これ以上優しくされたらさ…


うーん…
って考えてるドンへに


「ね？帰るよ(笑)」


って言って
カバンをムギュッと掴んで
半分逃げるみたいに
部屋を出た


だって、あれ以上は危険
ドンへ…やっぱり危険な男だわ

危うく
ドキドキしてしまった
胸の奥がキュンっとしてしまった

ドンへが望むなら…

何て思ってしまった



ホテルを出て朝の光が眩しくて
思わずギュッと閉じた瞳の奥に
さっきのドンへの顔が出てきて


あの私を見上げるみたいに覗き込んだ顔…
本当にどこかで見た気が…
するんだよなぁ…


なんとなく振り返って見上げると


ドン…へ？


窓に映るシルエットでしかないけど
多分ドンへで


ヤバい
また、ドキッとした


帰ろ。
帰ったらお終い。
これでお終い。


一晩、多分楽しませてくれて
ありがとうね

記憶はないけど

きっと、幸せだったみたい
だって、胸がこんなに苦しくて
ギュって掴まれて

何か自分の一部を落としてきたみたいな

そんな気持ち…
なんだもん


一晩の相手があなたで良かったみたい
ドンへ

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