ボクら。 (ページ11)

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side.桃
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様子がおかしいとは思ってたんよ。

なんかフラついとったしさ。

でも大丈夫、って言うてたから。

俺もそれ以上は干渉出来んくて。

桃「しげっ！！」

その結果、しげは倒れた。

体育の時間、バスケの試合中に。

緑「しげ、頭打った？」

倒れたというよりかは転んだ感じやったんやけど、転んだ体勢からなかなか起き上がれへんみたい。

桃「しげ、しげ、大丈夫？」

赤「っ、へーき… やけどっ、」

目の前がグラグラする、と腕で顔を隠しながら訴えるしげ。

緑「立てる？」

赤「… ちょ、まって…」

クラスのみんなも心配そうにザワザワする中、先生の指示で俺がしげを保健室まで連れて行くことに。

1番身長が高いから力持ちそう、っていう理由なんやろうけど。

友達をこんな風に保健室まで連れて行くの、初めてやったからなんか不思議な感じ。

その後、俺はまた授業に戻ったんやけどやっぱりいつも通りには出来んかった。

1回授業を抜けると集中力って恐ろしいくらい切れるんよね。

しげのことも気がかりやし。

桃「しげ、大丈夫なんかな」

緑「着替えたら様子見に行ってみよか」

桃「次の授業、間に合わんかも」

緑「そん時はそん時や」

終わりの号令と同時に体育係から教室の鍵をもらって、神ちゃんと教室に急ぐ。

やのにさ、

桃「… え？」

ジャージを羽織ったしげが教室の前に立ってるんよ。

赤「鍵持っとる？」

桃「… 持っとるけど、」

赤「よかったー、着替えよう思たら鍵のことすっかり忘れとってさぁ… 体育館戻るのもだるいし」

そう言うてヘラヘラ笑うしげは、さっき保健室に連れて行った時の様子が嘘みたいに元気そうやった。