story of love ５

ファッションの定義 ２ ページ31

side.赤
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赤「うーん…」





一旦、気持ちを落ち着かせるためにトイレに来たはええけど、鏡に映った自分の姿を見て疑問だらけになる。







一体なんやの？




このセンスは。







ファッションに対してあまり詳しくない俺でも分かる、流星のズバ抜けたファッションセンスの良さ。





プライベートまでアイドルやわ、ほんま。









青「だいきー？」


赤「…」






…うん、やっぱり俺がチョイスしたのクソダサい。





俺ってファッションセンスほんま皆無。









あかんわ。








青「ふは、落ち着かへん？」






俺のせいで服はクソダサいけど、顔はめちゃめちゃカッコええ流星が顔を覗き込んでくる。









赤「なんかごめん…変な格好させてもうて」


青「なんで？ めっちゃお気に入りやねんけど」


赤「絶対思ってへんやろ…」


青「思ってるて。 大毅が俺のために選んでくれた服やもん」






ぽんっと流星の手が頭に乗っかる。









青「大毅の服やから、大毅の匂いがする」





嬉しなんねん、と流星が笑ってくれるからなんだか俺まで嬉しくなってくる。









青「俺さ、今までファッションって自分をカッコよく見せるためのものやと思っててんけどさ」


赤「うん」


青「好きな人の服を着れるっていう幸せもあんねんな」






流星がイケメンな発言をしてくれてんねんけど俺がチョイスしてもうた、目が飛び出たクマみたいなのがプリントされたTシャツのせいで、じわじわ笑いが込み上げてくる。









赤「…やっぱりちゃんとファッションの勉強しよ」


青「大毅はそのまんまでもええけどなぁ」


赤「ファッションの定義…なんてよぉ分からんけどさ、流星見てたらなんか楽しそうやし」






きっとこないお洒落な彼氏がおるからこその特権なんやろうけど、









青「…ふっ、なんやそれ」








今日の仕事終わりの楽しみは、流星が表紙を飾ってるファッション雑誌を買って勉強でもしようか。




(END)

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