いつものコンビニ ページ15
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その日もまた、似たような一日で。
「では、今日の授業はここまで」
チャイムが鳴る。
校舎内がにわかに騒がしくなり、教室の中で、生徒たちが思い思いに動き出す。
わたしは余ったプリントをまとめ、そのすこやかな空間を後にする。
自分の授業では、定期試験時にどれだけ低くても全員が60点以上をとれるよう、重点のみを記したレジュメを毎回配っている。
勉強だけに固執してほしくない。
それは、わたしの恩師が示してくれた教師のかたちだった。
昼休み前の４限目が空いている。
わたしは図書準備室にある自分のデスクで、パソコンと向かい合う。
図書室に隣接したこの部屋には、ベテラン学校司書の小川さん、おなじ国語科教師の西田先生、そして何故か数学教師の根津先生のデスクがある。
ここはしかし、居心地がいい。
熟年夫婦のような小川さんと西田先生。
すこしふうがわりな根津先生とわたしがふたりの子どものようで――――まるで、家族みたい。
「水無月ちゃん、お昼は買ってあるの？」
「あ、まだ……そろそろ行ってきます」
小川さんに言われて時計を見ると、昼休み目前。
わたしは席を立ち、校舎を出て――道路を挟んだ真向かいの、いつものコンビニへ向かう。
アスファルトにかかる白い梯子を渡る。
大通りの交差点に接しているため、このコンビニの駐車場は比較的広い。
その片隅に停まっている、車。
あまり見かけない車種に気を引かれつつ、店に入って混ぜごはんのおにぎりとミックスサンドイッチ、そしてあたたかいキャラメルラテをひとつ購入する。
自動扉を潜り、出ると――――…先ほどの車の運転手と目が合った。
いや、正確には、その人はこちらを見ていた。
指先でちいさく手招く姿。
顔を覆う黒いマスク、キャップ帽、眼鏡。
そしてあの、深いひとみ。
わたしは一瞬、何も見なかったことにして通り過ぎようとしたが……
「おーい」
窓が開き、声が掛かる。
「シカトはひどいやろ〜」
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べに(プロフ) - 516516516tさん» こちらのほうも…！本当にありがとうございます(T T)双子とはまったくテイストが違いますが、これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月28日 0時) (
レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
516516516t(プロフ) - 双子と共にこちらも読んでいます！ (2018年9月26日 21時) (レス) id: 06c5e90194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2018年9月11日 21時
