続き ページ10
真っ赤な瞳に黒い髪。
あれの衣装の名前は確か……
「血影」
「オ………白百合！！逃げるよ！」
グイッと夕陽が私の手を引き、この迷路のような道を走る。
「おやおや、何処に行くんだい？」
血影はそう言うと私達を追いかける為に走り出す。
暫く私達はこの草木の迷路で逃げ続けるも、少しづつ距離が縮んでいく。
「白百合、二手に別れましょう！」
「えっけど」
「このままだと私達二人とも捕まるわ、幸いハンターは1人、それに上手く行けば私の方を追ってくれるかもしれないし貴女の生存率も高くなる」
「いいわ二手に別れましょう。けど、絶対生き残ってまた会いましょう」
「ええ、絶対よ」
そう言っているうちに丁度二手に別れる道が見えてくる。
私は右に、夕陽は左に曲って行った。
後ろをチラリと見るとどうやら私は追われていないようで、追われているであろう夕陽が心配になった。
しかし、彼女とまた出会う為にもまた何処かに隠れなければならない。
はて、どうしたものかと思っていると大きな屋敷に繋がっている道に出た。
この道は本当に屋敷に行くためだけに出来ているので隠れるどころか、見つかりたいと言わんばかりの場所であった。
まずい所に出たと思い、私は引き返そうとする。
「御機嫌よう、僕の愛しき君」
この声を聞くまでは……。
振り返ると獣の耳に鋭い眼光、終いには尻尾までついている衣装を身にまとった元夫がいた。
「………月下の紳士」
「ああ、覚えていてくれたんだね嬉しいな」
「覚えたくて覚えているわけではないわ」
「わぁ照れてるの？可愛いこと言うね、抱きしめてあげたい」
「何を言っているの？紳士とは思えない発言ね」
「ふふ、君が相手ならいつだって獣さ」
彼がそう言うとその発言が走る合図だったのかよく分からないが私と彼の行動は同時だった。
逃げる先はあの元住んでいた大きな屋敷、又距離的に一か八かの賭けでもあった。
「あはは、もうすぐ捕まえることが出来ちゃうよ？」
後ろからそう言われるがこちらの方が早い。
ガチャｯ
扉が開く。
私が屋敷に入ったと同時に月下の紳士が手を伸ばす。
「はは、捕まえ……」
バチッ
「え？」
彼の手は跳ね返された。
それもその筈、私はただ扉を開けたわけではない。
道具箱から出た鍵を使って開けたのだ。
「残念だったわね」
私はそう言って扉を閉じた。
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minede(プロフ) - 久しぶりに読みました！！更新無理しない程度に頑張ってください！！オリジナルの結末が気になります！！（沢山のジョゼフ様から逃げられるのか） (12月28日 20時) (
レス) @page12 id: ade13d59b5 (このIDを非表示/違反報告)
霧狐ｰﾑｺﾝｰ(プロフ) - 得、ヤンデレ？夫婦設定？最高かよ(((続きとても気になります、！ (2019年9月15日 0時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 深窓さんチェイス技術すげぇっすね (2019年8月7日 1時) (レス) id: 90bd7d6cd5 (このIDを非表示/違反報告)
minede(プロフ) - 本編、こちらのifの作品も大好きです！！紳士らしい、ヤンデレのジョゼフさん大好きです！！更新頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 93b4b94f8e (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 本篇もとても素晴らしいてすが、こちらの作品も大好きです！ヤンデレジョゼフからにげられるか…とても気になります。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: b7fb729483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pipi | 作成日時：2019年6月18日 19時
