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〜翔side〜
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「翔様は恐らく、その後ショックで倒られ
意識を失われたのでしょう。
その数分後に私やお嬢様が駆けつけた…
あの日の、真相が…漸く解りました。」
コツコツと、丁寧に磨かれた革靴の音を
踏み鳴らしながら歩いてきた影山。
俺のベッドを囲うようにして立ち尽くしている
メンバーに失礼します、と会釈をした後に
繋がれたモニターの数値を横目で見ながら
慣れた手つきで俺が無理矢理引っこ抜いた
点滴を再び腕に綺麗に収めてくれた。
「…お、い。ちょっと待てよ、影山…
理解出来てねぇの、俺だけか、?
どういう事だよ…一体、何がどうなってんだよ…
それに…誰が倒れたって?」
今まで、ずっと黙って見守ってくれていた智くんが混乱を隠しきれない声色で影山にそう問いて。
彼に嘘を吐いていた事実を思い出して…
「…ごめんなさい、智くん…
ほんとは、しおりさんが来た日…
俺は仕事じゃなくて父さんと会ってた。
絶対、心配されると思って貴方には隠してたの。
嘘ついてごめんね…」
「はっ!?お前はどうしていつも…っ」
「智。やめろ。今は争ってる場合じゃねぇだろ。」
眉を歪めた彼を咄嗟に牽制してくれたけど
潤も、彼と同じ表情を浮かべている。
雅紀は…何故か全て知っているかのように
ただその場で俯いているだけだった。
「和也様は…彼らの母親であらせられる
陽子様がお産みになられた一卵性双生児。
つまり、翔様の
実の双子の弟様に当たられると方という訳で
御座います」
改めて、他人の口から聞かされたその真実は
そんな簡単に受け入れられるものではなくて
言葉を噤む。
「は…、意味わかんねぇ…
じゃあ和は…?何で翔くんと一緒に
住んでなかったんだよ…和の母ちゃんは?
それに、翔くんの母ちゃんは昔、翔くんを
産んだ時に亡くなったんじゃなかったのかよ…っ」
数週間前の、俺の疑問と全く同じセリフを
吐き出した彼は未だに納得がいかないように
ワナワナと唇を震わせ溢れんばかりに
畳み掛けて、影山の背中を睨みつける。
そう。俺の母親は昔
俺を産んだと同時に力尽きて亡くなった____
母さんは俺のせいで死んだんだと。
そう、思い込んで生きてきたから
麗子さんの屋敷で、真実を聞かされた時は
衝撃的過ぎる、その父親による非道な隠蔽工作に
言葉が出なかったのを覚えている。
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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん!泣 コメントありがとうございます!更新めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳ないです!人が悪くなっちゃいました、かたじけない笑 この続きはいつかお見せできると嬉しいですなぁ^^お付き合い頂き本当にありがとうございました! (2019年12月11日 20時) (レス) id: d56f518aff (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅*さん、更新きたぁ!と思ったら「えっ、まさか!? 」な展開。そんなわけないですよねぇ人が悪い (笑)。 翔くん、本当に良かったです。和くんもちゃんと立ち直って良かった。この幸せの続きがきになりますが、完結お疲れさまでした。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: 7f433b7b81 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - すこぶる可愛い翔くんに翻弄されてる智君がとても好きです!!お山の2人は勿論紅羽ちゃんの行方がとても気になります…ニノとの今後のやりとりがとても楽しみです。お忙しいとは思いますがこの作品の一ファンとして心待ちにしてます!! (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - 星羅さん、移行お疲れ様です!動き出した新たな展開にドキドキが止まらない一方で、もうひと波乱あるのではないかと、目が離せません! (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星羅* | 作成日時:2018年10月8日 17時