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〜翔side〜
何度も見返した
何度も我が目を疑った
1枚1枚ページを捲る度に指圧と手汗で
紙の端が撓み
見慣れない文字が、酸素不足な眼球を
突き刺すように浮き彫りになっていく
「どういう…、ことだよ…、、」
なんで、和の母子手帳がこの家に
あいつのかつて住んでいた私有地は
焼け野原と化し
塵一つ残さず業火に飲まれたはず。
手帳は愚か
遺品なんかひとつも見つからなかった
___こんなものが、この世に存在する筈がない
ましてや、この母子手帳は年季は入っているが、
傷みどころか破れているページすら無かった
つまり
この手帳は、ずっとこの家に…、？
そして何よりも
「さ…くらい…かずなり……、」
唯一の肉親の形見である和の姓が
俺が18年間で1番語り、記し慣れてきた
見覚えのある "それ"で…
更に、追い討ちをかけるかのように
あいつの生年月日も
俺が産まれた日程と完璧に一致する
もう、意味がわからなかった
混乱で満たされた脳は昏睡状態に呑まれ
放心した様に推論さえ導き出せないでいると
「不在時に私の部屋を物色するなど
お前はとことん、私を失望させるな。｣
心臓を震わせる居心地の悪い声が鼓膜を貫いた
「と…、うさん…」
この時ばかりはこの人に対する恐怖心よりも
自分の見えないとこで隠蔽されてきた
真相の方が頭を先行して
「…なんのつもりだ、」
俺は慄く前に、父さんに掴みかかっていた
「っ、どういう事ですか、！？
なんで…っ、なんで貴方があいつの
母子手帳を持ってるんですか！！
それに…櫻井って…」
まさか
まさか、和は…、？
物的証拠から推測される仮説は1つしか無くて
でも、それは到底容易く信じれることでは無い
俺を見下ろす冷酷非道な瞳に今にも
心臓が凍てつきそう
「っ、…！」
気付いた時には掴んだ手を振り払われ
体重の掛どころを失った身体は大理石の床に
打ち付けられ痛めた肩に顔を顰める。
「…あぁ、磯貝か。私だ。新しいスーツを
明日までに用意しとけ。少々、袖口が
汚れてしまったんでな。」
意味深な流し目をこっちに向けたや否や
動揺1つ見せずに、カフス付近を手で払いながら
無線で執事に一報を入れたこの男はもう
「…取るに足らないことだ。
お前の母親が私に内緒で産んだだけのこと。
あんな小汚いネズミなど
私の血縁者などではない。」
父親どころか
人間ではなかった
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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん！泣 コメントありがとうございます！更新めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳ないです！人が悪くなっちゃいました、かたじけない笑 この続きはいつかお見せできると嬉しいですなぁ＾＾お付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2019年12月11日 20時) (
レス) id: d56f518aff (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅＊さん、更新きたぁ！と思ったら「えっ、まさか！？ 」な展開。そんなわけないですよねぇ人が悪い (笑)。 翔くん、本当に良かったです。和くんもちゃんと立ち直って良かった。この幸せの続きがきになりますが、完結お疲れさまでした。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: 7f433b7b81 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - すこぶる可愛い翔くんに翻弄されてる智君がとても好きです！！お山の2人は勿論紅羽ちゃんの行方がとても気になります…ニノとの今後のやりとりがとても楽しみです。お忙しいとは思いますがこの作品の一ファンとして心待ちにしてます！！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - 星羅さん、移行お疲れ様です！動き出した新たな展開にドキドキが止まらない一方で、もうひと波乱あるのではないかと、目が離せません！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2018年10月8日 17時
