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287* ページ5

〜潤side〜

大切な人を失うかもしれないという恐怖と
一生彼を付き纏うであろう罪の意識。

待ち侘びた彼の開眼に胸が拗れそうな安堵が
斧となり

辛うじて繋いでいた命綱が切れたかの様に
雅紀は翔さんの腕に縋り決壊した情を
ありのままぶつけた。

そんな啼泣している彼の頭に手を乗せ
慈愛に満ちた表情を浮かばせて頭を撫でる
翔さんを目の当たりにすると

つくづく自分の醜さを思い知らされている
気がして…俺は2人を直視出来ないでいた


「意外とビビりなんですね」

「っ、お前だって…」


お前だって、翔さんと…

喉の奥まで出かかった言葉は2人を優しげに
見詰める二宮の瞳に吸い込まれる


雅紀はこいつにとって、特別な存在で

2年前の悲劇の中で翔さん達を除いて
唯一二宮を想いながら演じていた雅紀。

あいつが根はとことん優しい奴なんて事は
俺だって、痛いほど良く分かっていたんだ

今まで、その優しさは俺にだって向けられて
いたのに。あの日を境にいとも簡単に
方向転換させられたのが表現に苦しむ程
悔しくて___


かつての親友達の俺を見る据わった瞳を
目の当たりにしたときに

まんまと、呑み込まれていっていた事に気付いた


東がしかけた、"ゲーム"の世界に



当事者の俺が言えた口じゃねぇけど

あいつが二宮の支えになってた事は
少なからずあるのは紛れもない事実だった



病室外で驚愕した、二宮の台詞。

「…俺は別に気にしてませんから。
ただ一つ…紅羽に謝って貰えれば」


なんて事のない様に淡々と語る二宮の表情は
俺が知ってる、こいつではなくて…



俺はほんとに

何もかも、見えてなかったんだろうな

醒めない過去の悪夢に囚われて


翔さんの…いや。二宮と雅紀の本質が


今更、雅紀を殴った拳に鈍い痛みが生じてきた
気がして益々居た堪れなくなっていると


「…じゅ…、かず…?」


か細くい、掠れた声が俺の名をなぞって


「そばに、きてよ…2人とも」







ほんとに…あなたはずるいひと


そんな顔を見せられたらさ



止まんねぇじゃん_____


この、どこまでも汚くて身勝手な心は

いとも簡単に貴方色に染められていく




ずっとずっと 暗闇と隣り合わせだった2年


ただ、ただ日が暮れていくのを窓から
見詰めていた、あの日々から今漸く

枷が音を立てて外れた


焦がれていた温もりに、全身を包まれた時


『潤。あなたは、報われなさい』


見惚れる程、美しく微笑んだ
麗子さんの声が響いた気がした。

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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん!泣 コメントありがとうございます!更新めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳ないです!人が悪くなっちゃいました、かたじけない笑 この続きはいつかお見せできると嬉しいですなぁ^^お付き合い頂き本当にありがとうございました! (2019年12月11日 20時) (レス) id: d56f518aff (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅*さん、更新きたぁ!と思ったら「えっ、まさか!? 」な展開。そんなわけないですよねぇ人が悪い (笑)。 翔くん、本当に良かったです。和くんもちゃんと立ち直って良かった。この幸せの続きがきになりますが、完結お疲れさまでした。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: 7f433b7b81 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - すこぶる可愛い翔くんに翻弄されてる智君がとても好きです!!お山の2人は勿論紅羽ちゃんの行方がとても気になります…ニノとの今後のやりとりがとても楽しみです。お忙しいとは思いますがこの作品の一ファンとして心待ちにしてます!! (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - 星羅さん、移行お疲れ様です!動き出した新たな展開にドキドキが止まらない一方で、もうひと波乱あるのではないかと、目が離せません! (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星羅* | 作成日時:2018年10月8日 17時

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