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〜和side〜
・
カサ、カサとビニール袋が擦れる音
履き古したスニーカーが地面を叩く音が
夕暮れの街に2つ重なる様に共鳴する。
＿＿＿＿＿絢瀬蓮
そう名乗った、見知らぬ男は気だるそうに
肩に引っ掛けたコンビニ袋を咄嗟に持ち直して
何食わぬ顔で数メートル先を
のらりくらりと歩み進めている。
｢おーい。なんか喋れよ、つまんねぇ｣
沈黙を破る様にして、数分も経たないウチに
先方から聞こえたきたのは、退屈そうな声色。
…なんなの、この人。
｢…何処に拉致る気すか｣
いや、まず聞きたいのはそこ。
昔の俺なら、心底妬ましい気分になって
こんな話には絶対に乗らないが
こいつが、あの影に包まれていた
紅羽の曰く付きの
元・交際相手だろうが何だろうが
今は正直、どうでもいい。
こいつの身元云々の前に
まずは己の身の安全っしょ。
別に、このまま自分が殺されようと
今更、危惧はしないが
前の俺ならともかく。今じゃ
＿＿＿＿＿『いつでも、電話してこいよ』
俺が、数時間スマホの電源を切ってただけで
目くじらを立て、呆れる位の被害妄想を
膨らませながら物理的に飛んでくる人が居るから。
そんな、心配性な母みたいな兄の為にも…
一応、ね。
｢え、こんな所まで着いてきてわかんねぇの？｣
｢…はい？｣
｢へぇ…意外に鈍感なのな。
てか、いい加減に、その不審者を見るような目
辞めてくんねぇ？｣
｢事実無根かと。｣
｢いや、こっちのセリフー｣
一瞬目を丸くして、こちらを振り返ったかと
思いきや。
何やら意味深にほくそ笑んで
再び前に目を向けた絢瀬とかいう男。
…見知らぬ初対面の男に、声を掛けられて
夜道を歩かされているなんて今直ぐ連絡したら
翔さんは、どうなっちゃうかな。
顔を真っ青にして、今にも
麗子さん率いる国立署の軍勢を引き連れて
街中は真紅の蝶の紋章と忙しなく駆け抜ける
赤いランプで染まるんだろうか。
まぁ、そうなる前に大野さんが
止めてくれるだろうけど。
…それに
行先は、大体予測がつく
頭上に生い茂る森を高らかに旋回する
カラスの鳴き声と
見慣れた、実家までの街路がその証拠。
｢お前にさ。見せてぇもんがあんだよ｣
…ごめんね、翔さん
俺少し…寄り道するね。
少し、色を落とした声の持ち主は
"その" 表札の前で立ち止まり
目の前に佇んだ、活気を失った邸宅を見上げて
哀しげにポツリ、と静かに呟いた
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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん！泣 コメントありがとうございます！更新めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳ないです！人が悪くなっちゃいました、かたじけない笑 この続きはいつかお見せできると嬉しいですなぁ＾＾お付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2019年12月11日 20時) (
レス) id: d56f518aff (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅＊さん、更新きたぁ！と思ったら「えっ、まさか！？ 」な展開。そんなわけないですよねぇ人が悪い (笑)。 翔くん、本当に良かったです。和くんもちゃんと立ち直って良かった。この幸せの続きがきになりますが、完結お疲れさまでした。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: 7f433b7b81 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - すこぶる可愛い翔くんに翻弄されてる智君がとても好きです！！お山の2人は勿論紅羽ちゃんの行方がとても気になります…ニノとの今後のやりとりがとても楽しみです。お忙しいとは思いますがこの作品の一ファンとして心待ちにしてます！！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - 星羅さん、移行お疲れ様です！動き出した新たな展開にドキドキが止まらない一方で、もうひと波乱あるのではないかと、目が離せません！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2018年10月8日 17時
