果報者4 ページ50
少しでも白川の様子を伝えたい。何より、あの時闇に堕ちそうになっていた白川を救ったのは
降谷「Aの言った言葉だ」
『...え?』
降谷「白川はあの言葉に救われたと言っていた」
俺の言葉にAは毛布を強く握りしめて、安心したように息を吐いた。
『...はは、よかった。本当に良かった...』
Aは何回も良かったと呟いていた。
あれからずっと悩んでいたのだろう。俺だって白川にかける言葉一つ一つに自問していた。
降谷「白川からAの話はちょくちょく聞いていたよ...俺ら同期にお前の事を何度も何度も自慢していた。」
ここからは俺の本音。
今なら言える。
降谷「だから、白川の妹があの情報屋ホワイトと分かった時、俺はAに対してやるせない怒りを感じていた。兄貴を一人残してルパン達と泥棒をやっているなんて、なんて馬鹿な妹だろう...と」
.
.
.
降谷「それに何故それ程の技術があるのに白川を死なせてしまったのか...と」
Aは目を伏せる。
最初はそう思っていた...Aに出会うまでは。
.
.
降谷「だがその印象は最初だけだ」
.
降谷「Aの優しい部分に触れて...白川が言っていた事が正しいと理解できるようになっていった...もちろんヒロも同じだ」
降谷「気付いたらAが好きになっていた。...散々毛嫌いしてたのに...笑えるよな」
俺の言葉にAは驚いたように顔を上げた。
俺がこんな本音を言うのは初めてだ。
.
.
降谷「Aが俺を恋愛対象として見てくれていたことにも薄々気づいていた。だが、それを応えてしまっていいのか凄く悩んだ」
.
.
降谷「あの観覧車の時、赤井に中途半端に愛するのはやめろ、と言ったが、俺は昔の俺に向けての言葉だったのかもな...。それに、その時にもう赤井を認めていたのかもしれない。」
『...そっか。』
.
.
俺が話終わったあと、Aもいろいろ考えているのか「そっか」と一言言って黙ってしまう。
...こんな一気に言われても困るだけだよな。
俺はAを1人にさせようと立ち上がった時、Aの声が俺を止めた。
.
『昔、れいにぃ言ったよね。兄貴は誇れる人だと。あの時は感情がぐちゃぐちゃで黙っちゃったけど...』
Aは真っ直ぐ俺に向かってこう言った。
『私は胸を張れる。兄貴は立派な人だったと。正義を貫いた兄貴を誇らしく思っているって』
.
1912人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トロ丸くん(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて大好きです!ただ、理解者2から3にかけてがおかしくなっているので修正したほうがいいと思います。更新楽しみにしています! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 1357d0851f (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!番外編とかでもっとジンとの絡みが見たいなぁと思ってますw更新頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 51ee7cd96d (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです最新待ってます頑張ってください (2020年4月2日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤さん - 続編おめでとうございます!待ってました!!今度はジンのターンですね( -ω- `)フッジン好きの私にはニヤけが止まりませんw (2020年3月20日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:235711 | 作成日時:2020年3月15日 19時