野良猫7《名探偵コナン》

馬鹿者18 ページ26

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Aの声がその場に響き渡った時──


「おい！見つけたぞ！！」
「君！今すぐ病院行きだ！！」


と、数人の救急隊員が息を切らして走ってきたのが視界に入った。
その人達を見て、Aが一言

『あ、やべ』

と、漏らす。
なんだ、、、？


「ちょっと、君！腰の骨折れてんだから！」
「すぐに病院直行だ！」


コナ「......は？」

腰の骨が折れている？？
聞き捨てならない言葉に耳を疑う。


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その数秒後に救急隊に囲まれたA。
「担架！」と叫んでいる人、Aをもう動かないように押さえつけている人、病人のはずなのに元気なA。

異様な風景だった。


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『返事ないけど、分かった！？次にこ』

「ちょっと！骨に響くから大声を出しちゃダメ！！」



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コナ「...あいつも相当の馬鹿者だろ......」

腰の骨折れてんのにここまで来たのかよ...
あいつの身体はどうなってるんだ？？

まだ言い足りないのか、ギャンギャン騒ぐAは最後の最後までうるさかった。


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だが、ふと過ぎるのはさっきのAの視線の先。

Aに言われた言葉。


自分の命を後回しにするほどの正義。
生きているからそうやって言えるもの。
死んだ後ではその正義は君を慕う遺った人々を悲しませるものになるだけ。

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そう言って何度が見た顔をした。
どこか遠くを見るあの瞳。
Aがいつも見ているのは、きっと過去のA。俺が知らないもの。

自分の知らない何か。
、、、いや、違う。

何か、ではない。誰か、だ。



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まるで、その“誰か”が自分の信念を守って死んだかのような言い回しだ。
そして、遺った人々は、、、A？


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出会ってから距離は縮まっているように感じるのに、手を伸ばしても届かない壁があるような気がする時がある。

いつかは、Aが俺にも気持ちを預けてくれる日が来ないだろうかと考える。



泣いていた。


Aは全てを自分で背負うクセがある。
あのストーカー事件がいい例だ。
きっとAは、どんな事でも自分で解決しようとして一人で苦しむのだろう。


それがすごく、悔しかった。

父さんや赤井さん、安室さんやルパン達だけがAを理解しているように思えて、俺も知ろうとしているのに他のみんなよりは劣っているように感じて悔しい。
俺は、俺はAの友として居られないのだろうか...
いつまでも守られる存在なのだろうか...
同い年なのにAが分からない。



俺にとってAは遠過ぎる。




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