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――何がどうなったらこういうことになるんだろう。
真剣に考える。私一応医者じゃなかったっけ?
なのに何で……。
「隊士全員分の料理なんか作らなきゃならないわけ!!?」
「そりゃ自業自得ってやつだろィ」
「何が!!」
* * * *
事の発端はつい先日のことだった。
朝、私はいつもの如く、暗殺されかかった副長の手当てをしていた。
最近沖田隊長が荒れに荒れており、それに伴い暗殺の頻度が上がっているせいで、副長の傷は増える一方だ。
前までは一日二、三回だった屯所内のバズーカ音が、今では五、六回にまでなっている。
「――おい、A」
黙って手当てを受けていた副長は、徐に口を開いた。
「何ですか?」
その声がとても真剣味を帯びていて、私の声も無意識に固くなる。
一体何事だろうか。まさか、今度何処かに斬り込みに入る、とか?
固唾を飲んで見守っていると。
「――総悟に料理作ってやってくんねーか。俺はもういいから」
「…はい?」
……が、かなり身構えた状態で言われた言葉は、そんな拍子抜けにも程がある要求だった。
ちょっと待て、いきなり何言ってるんだこの人は。
私に料理を作れ?しかもあのクソサドに?
……暗殺されかかり過ぎて、遂に何処かネジが抜けたのかな。
「どうしてですか?沖田隊長、別に体悪くないでしょう?」
だが一応、「そんな失礼極まりないことなんて一切考えてませんよー」風を装って理由を尋ねてみれば、副長は頭を掻いた。
「いやそれはそうなんだが……」
おい、認めるのかよ。
「なら良いじゃないですか。それにあの人より副長の体の方が余程心配ですよ。ニコマヨ中毒でその上暗殺されかかって」
「そこを何とか頼む。じゃねェと俺がヤベェんだよ」
「何がですか?」
「だからその……アレだ。えーと……(最近の総悟が嫉妬でマジでヤベェなんて言えるかァァアア!!)」
「?」
妙に歯切れが悪いな……。何なんだろうさっきから。
あまりの挙動不審っぷりに首を傾げていると、
「面白そうな話してるな!俺もAちゃんの料理食いたい!」
「近藤さん」
部屋に入ってきた近藤さんは、ニカッと笑う。
「他の隊士でも結構いるぜ?Aちゃんの手料理食いてェって言ってる奴。
もうこの際全員分の作ってくれよ」
「は、はぁぁあ!?全員分!!?」
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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時