【滝川・クリス・優のマル秘メモ】 ページ42
「早く終わらせないと帰れないぞ。」
「そんなのわかってるってば!ってか、そもそも量が多すぎなのよ!」
冷静に言うクリスに、私は半ギレで答えた。
目の前には、スコアブックが山のように積まれている。
レギュラー陣のここ最近の打撃成績をデータ化するため、一人ずつ結果を拾っているところだ。
地道な作業のため、うんざりするほど時間がかかる。
「みんなにもうちょっと手伝ってもらえばよかったのに…。」
私は机に頬杖をつきながら呟いた。
少し前までは他のマネ達もいたのだが、もう遅いからとクリスが先に帰したのだ。
「か弱い女子を、あまり遅くまで付き合わせるわけにはいかないからな。」
「私もか弱い女の子…」
「…空手三段の、背後からの攻撃には体が無意識に反応するほどの力を持ったお前が『か弱い』とは…俺の知らない間に、世の中の常識が変わったらしいな。」
「…クリスが苛める…」
「口よりも手を動かせ。」
はぁ、とため息をつきながら、私は新しいスコアブックに手を伸ばした。
さっさと終わらせて帰ろう。
…いや、待てよ?
何かの隙に、とんずらしてしまうのも一つの方法か…
「…A。もし勝手に帰ったら、少し恥ずかしいことになるぞ。」
「っ!クリスって
そう言うと、クリスはスッとメモ帳らしきものを取り出して開いた。
「…中学の制服を買いに行った時、男と間違われて学ランを見せられたこととか…」
私はものの見事に絶句した。
「…ドラゴンボールは本当にあると思って、探しに行こうとして家族に止められたこととか…亮介あたりに教えてやれば、面白いことになるだろうな。」
「や、やめてえぇ!!」
「まだあるぞ?聞きたいか?」
「…ちゃんとやります、やらせていただきます!」
青ざめた顔でそう言うと、クリスは満足そうに微笑んだ。
…忘れてた…『アレ』のことを忘れてた…。
通称、『クリスメモ』。
どこから情報を仕入れてくるのか知らないが、あのメモには本当に笑えないレベルの情報が記されている。
昔の恥ずかしい思い出まで人質に取られては…真面目に頑張るしかないじゃない…。
私はもう一度、はぁ、とため息をついた。
…と、その時、クリスが妙に真面目な顔で呟いた。
「…まぁ、俺も…修行すればカメハメ波が出せるようになると思っていたがな…」
「だよね!?やっぱ一度は思うよね!?」
※みなさまご存知『ドラゴンボール』より(^^;
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暇人 - フランス革命さん» ちゃんと読んでなくて草。中学生ではないネタ何個もあるのに。 (1月6日 11時) (レス) id: 9409c0bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
味塩 - すごく好みで面白かったです!!ギャグ夢大好きで、夢主のノリも理想通りで本当に最高でした…!全シリーズ読んだのですがまた最初から読みたくなっちゃいました。どれもそのキャラらしさが出ていて本当に面白いです (2022年10月27日 1時) (レス) id: 2296c25889 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。亮介さんLoveなので、本当はこのキャラでの長編が読みたいですが、続きも楽しみです。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
フランス革命(プロフ) - 中学生バレバレで草。高校のテストこんな甘くねーよ (2019年7月29日 21時) (レス) id: 6067ba3fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年6月7日 16時