【A3!】魔性のゆる男２【男主】

続・三好一成のインステ講座 ページ5

一「はいは〜い！ゆっきーもっと真ん中寄って！アザミンもうちょい笑って！」




談話室の一角のソファに花を飾ったり可愛く装飾なんかもしちゃって、
アザミン、A、ゆっきーの順番で座ってもらった。


アザミンは顔は真っ赤なものの表情は固く、
Aはなんとなく女性らしい所作を覚え、
ゆっきーは舞台で女形を多く演じてきたせいか、自信たっぷりな表情をしていた。



オレはその様子をパシャリ、とスマホで撮影する。




一「おお〜めっちゃ良い！これは1000ええな確実でしょ！」

幸「へえ、いいじゃん。俺にも送ってよ」

『あ、俺も欲しい』

一「もち！アザミンは？写真いる？」

莇「…いる」




出来上がった写真をフィルター加工してさっそくインステにアップする。


#お手伝いさん #めっちゃ美人 #実は男


ハッシュタグをつけて投稿すると、
1分もしないうちに30ええながついた。




幸「一成は？Aと写真撮らなくていいわけ？」

一「あ！オレも撮りたい〜！ゆっきーカメラよろ！」

幸「はいはい」




Aを撮ることに夢中になっていたオレは、
ゆっきーの言葉で気づいた。


スマホをゆっきーに渡し、Aの隣に移動する。





一「どういう感じに撮る？手でも繋いじゃう？」

莇「そっ、そういうのは結婚してからだろ！」

『結婚してから…？』

一「メンゴメンゴ〜冗談だって！じゃあ普通に寄って撮ろっか！」





オレはいつも友達と撮っているときと同様に、
Aの近くにグッと寄った。


するとその時、Aからシャンプーのような良い香りがした。


オレは思わずその香りに、ドキッと心臓が高鳴った。





一「(え、待ってAめっちゃ良い香りしない！？あれ、男だよね？なんでこんな良い香りすんの？やば、なんか変な気分になってきた…)」

『カズ、カズ、幸くんが撮るって』

一「へ！？あ、あぁ、おけおけ〜！いつでもいいよん！」

莇「…なんかカズさん、顔赤くなってね？」

幸「はい、撮るよー」




パシャリ、と軽快な音を鳴らしたスマホをゆっきーからもらい、
写真を確認する。


写真に映るオレはいつものオレらしくない、なんだがぎこちない表情だったが、
対するAの表情は柔らかく、オレの好きなAがそこにいた。




幸「かなり上手く撮れたと思う」

莇「カズさん、めっちゃ顔固いけどな」

『これもちょうだい』




この写真は、インステにアップしない。


オレだけの、宝物だ。

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