私、トリップしてモテまくるの!?【名探偵コナン】

file.24 ストーカーとは、意外な人物 ページ27

Aside

ーー維さんたちに相談してから、数日。今日は零くんと買い物中。研くんと買い物していても、零くんと居ても、維さんと居ても感じる視線が、今日も付き纏う。…そう言えば、行く先々に居て良く会う男の子が浮かび上がった。

降谷「良く会う男がいた??」

A「うん、気のせいだと思ったんだけど…気付けば良く会う人で。大学生くらいの男の子で、相手の名前は知らないんだけど。前に、その子が道に迷って居てね??助けてあげて、少し会話をしただけなんだけど。…その子じゃないと良いな」

おっとりした雰囲気で、優しそうな子だった。そんな子が、ストーカーじゃない事を祈るしかない。

降谷「…A、彼奴か??」

零くんの視線の先に居たのは、まさに今話していた男の子だ。…でも、なにか様子が可笑しい。

A「良くわかったね。でも、なにか様子が変だよ??」

どうしたんだろうと思い、零くんと一緒に近付いてみる。

A「こんにちは。久し振りね、どうしたの??」

「にっ逃げて下さい!!」

後ろを振り向くと、刃物を持った別の男が迫ってくる。この男が…??刃物を振り下ろされそうになったけど、零くんのおかげでかすり傷も付く事なく、捕まえる事が出来た。警察を呼び、連れていって貰う。安心からか、腰が抜けてしまった。

降谷「大丈夫か??」

A「大丈夫。ちょっと腰が抜けちゃっただけだから。…助けてくれて、ありがとうね」

お礼を言うと、男の子が慌てて首を振る。

「いえ。１週間程前に、貴女を付ける男が居るのを見て、道に迷っていた時に助けて頂いたからなにか出来ればと。連れの男性が居るから、大丈夫だとは思ったんですけど。…無事で良かったです。では、俺はこれで」

頭を下げて歩いていく男の子に、此方も頭を下げる。…良い子だ。

降谷「帰るぞ」

座り込んだ私を横抱きにし、車に向かう。事情聴取は後日改めてしてほしいと伝え、今日は帰る事に。

A「れっ零くん、恥ずかしいよ」

降谷「歩けないんだろう??我慢しろ」

我慢しろとはいっても、顔が近いし、注目されて恥ずかしい。零くんが王子さまに見えるから、女の子たちから黄色い悲鳴が聞こえる。わかるよ、その気持ち。私もそっち側の人間だから。

降谷「家で良いのか??」

A「うん。ありがとう、零くん」

そのまま家まで送って貰い、研くんにもストーカーが捕まったと報告。喜んでくれた。…明日からあの視線に見られずに済むと思うと、心が軽くなった。

file.25 偽名→←file.23 ストーカー相談(緑川side)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す