溺愛される鬼少女② (ページ9)

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柱たちの心② ページ9

「他にも出会ったけれどみんなそんな感じよ」

「彩さんが何を企んでいるのか分からないですね」

それが一番の問題。
何が目的なの？

ただの男好きならいいけど…

「それに、一番気になることがあるんだけどね」

蜜璃さんが静かに話し始めた。

「この前、不死川さんと合同任務だったの。
でもいつもより太刀筋が悪かった、それにいつもなら怪我をしないような場面で怪我をしていたし…」

「それって…」

「集中力もなくなってるみたいで、呼吸もおかしかったわ」

大問題だ。
それが実弥さんの体調が悪いなら…いや、悪くてもそんな事はないはず。

「もしかしたら、彩さんの香りで…」

「そうかもしれないの」

不安そうな蜜璃さんの手を取る。

「私が解決します」

「え？」

「彩さんは私を恨んでらっしゃるみたいなので…私が何とかします」

「でも、Aちゃん…っ」

ぎゅうっと手を握り返してくる蜜璃さん。
涙目。

「誰かが傷つくのは嫌なんです」

誰も傷つかない世界なんてない。
だけど、ひとりでも傷つく人を減らせる可能性があるかもしれないのに見て見ぬ振りは出来ないの。

「でも、あなたのせいじゃないのよ？」

「もう誰も失いたくないんです」

そう言うと俯く蜜璃さん。
…私のことを思ってくれる優しい人。

「2度と失いたくないの」

「…っ止めても聞かないわね」

「はい」

私の顔を見て寂しそうに笑った。

「無茶はしないでね。何かあったら私に連絡すること、いいわね？」

「蜜璃さん…っありがとう！」

ぎゅうっと抱きつくと優しく返してくれた。
私の味方だと言ってくれるこの人を悲しませたくない。

「…不死川さん！」

そんな時に聞こえたしのぶさんの声。

「今のって…」

「実弥さんが…私行ってきます！」

蜜璃さんに別れを告げて
声のしたほうへ走る。

・

「不死川さん、その傷どうしたんですか？」

「うるせェ」

「そのままだと戦いの途中で気を失います！」

「黙れェ！！」

しのぶさんの胸ぐらを掴む実弥さん。

「やめてください！！」

実弥さんとしのぶさんの間に無理やり体を押し込んだけど、これ本当に実弥さんかな？

…すごく窶れてる。