溺愛される鬼少女② (ページ17)

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前向きに① ページ17

「Aちゃん？」

そう言いながら私に近づいてくる彩さん。
私だって今すぐ帰りたい。

「Aに近づかないでください」

しのぶさんが私の前に出る。

「話とは何だ」

義勇さんも前に出る。
…帰りたい。

「Aちゃんがいたら話しにくいのだけど…」

「なぜです？都合が悪いのですか？」

都合悪いでしょうね。
私の悪口だもんね。

「ごめんね？Aちゃん…」

目線で何処かに行けと促してくる。
くそう、腹立つ。

「あなたの企みは分かっていますよ。どうしてAの事に構うんですか」

「しのぶちゃん…何のこと？」

ところで彩さんは何歳なんだろう。
見た目的には義勇さんと同い年くらいかな…

「Aの事を色々言いふらしているみたいですね、それに柱からAの記憶を消そうだなんて…何を考えているのやら」

でも義勇さんと同い年ならやる事がアホだわ…

「…っどうして、私を疑うの？」

びっくりした。
急に泣き出すんだもん。

私の考えてる事がバレたかと思ったわ…

「とぼけないでください」

「義勇さん、義勇さんは信じてくださいますよね？」

そう言えば義勇さんもいたんだった。
全然喋らないから忘れてた。

「…義勇さん？」

義勇さんを見ると唇を噛み締めて何かを耐えてるみたいで…

「ねえ、義勇さん。私を信じてください」

彩さんが義勇さんの首に腕を回す。

彩さんの隊服は蜜璃さんの隊服みたいに胸元が開いてて、しかも丈が短くてお腹も見えちゃうし、下も短いし…

それ服の役割果たしてねーよ。ってやつ。

あの人が作ったのかな、変態。

「…っやめろ」

あの色気にやられていくんだね。

「富岡さんから離れてください」

「あら？嫉妬ですか？」

「あなたの頭、どうなってるんですか」

…しのぶさんイライラしてる。
そして私はお腹が空いてる。

「俺は、信じない…」

弱々しくそう言った後、義勇さんは彩さんを突き放して走って行った。

…何があったんだ彼の頭の中。

「ふふ。きっと今晩にでも私に会いたくなるわ…」

綺麗だけど、怖いってこういう人ね。