[オリジナル恋愛小説]いちげきっ！ (ページ11)

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＊第２話＊ページ11

放課後、部活に行くのが嫌だった。

あの二人が仲良くしているのを見たくないからだ。

今日は舞桜と二人で部活に行く。

ガタッガタガタガガッガタ

｢こんにちは～｣

私はできるだけいつも通りを装って武道場に入る。

すると、武道場の端にいた宮戸先輩がこちらにきて、

｢羽島さん、ちょっといい？｣

と言った。

私はなんだろうと思いながらも｢はい｣と言った。

先輩は手招きをして武道場の裏口から出ていった。

私もそれに続く。

先輩は武道場の裏まで行くと、振り返って私の目をまっすぐ見た。

そして、｢羽島さん、琉先輩のこと好きでしょ？｣

と言った。

えええええ⁉ なんでそれを…？

驚きを隠せない私の顔を見て、先輩は満足そうに笑った。

｢やっぱりね。でめ諦めた方がいいんじゃない？｣

｢な、なんでですか？｣

｢だって…私がいるもの｣

えええ？てことは…

｢付き合ってるんですか…？国村先輩と…｣

｢ううん、違う。そういうことじゃないけど｣

は？どういうこと？

まぁ、とりあえず付き合ってはいないことが分かって安心。

｢あのね、私達、幼馴染なの｣

ま、まじですか…！？

そういうことか…

だったらお互い名前呼びしてたのもうなずける。

｢それで、私わかるのよ。｣

｢何がですか？｣

｢琉先輩が私のことを好きだってこと｣

まじすか…

｢もちろん、私も琉先輩のことが好き｣

うう…両想いかぁ…

ガサガサガタッ

突然、近くで物音がした。

今のは、裏口の辺り？

誰かいるのかな…

もしかしてこの話、聞かれてたかも…

｢誰？出てきなさいよ｣

先輩が叫ぶ。

すると、"その人"は姿を現した。

｢｢あっ｣｣

二人同時に叫ぶ。

｢お、おい、もうすぐ練習始まるぞ｣

そこにいたのは、国村先輩その人だった。