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誰かとキスをするのは初めてではなかった。初めて彼女が出来たのは中学の頃だったし、キスもその子としたのが最初だった。それからもそれなりに何人かと付き合ったり別れたりしたし、まあ初体験もしたし。
直近で付き合っていたのは俺が一年の頃、三年の先輩だった。春、その人は大学生になっても俺と恋人同士でいたいと言ったけど、俺は、そんなのは幻想だとわかっていたから断った。
新しい世界に行ったらそこで新しい出会いが沢山あるじゃん、って。先輩可愛いから絶対モテるし。たまにしか会えなくなる俺より、毎日でも会える誰かに惹かれるのなんて時間の問題だとわかっていたから。
俺は自分の傷が浅くて済むうちに別れたかったから、そうした。
春以来の唇の感触はそれまでのなかで一番短い時間で離れて、一番短い時間で俺をおかしくした。
それからも俺は変わらず準備室に通ったし、先生も変わらず俺を迎え入れた。変わったのは、たまに唇を重ねることがあるという点だった。
関係性として変だよな、とは思った。でも嫌ではなかった。気持ち悪いとも感じなかったし、むしろ、何故か俺は嬉しさすら覚えていた。
大人とそういうことを内緒でしているという、人とは違うことをしているという、優越感みたいなものがあったのかもしれない。あと秘密の関係というものに刺激を感じていたのかもしれない。
「冬休み何してんの？」
あのキスから十日ほど経ったころ。これがきっと冬休み前ラストのサボりだろうな、という日のこと。俺は、休み中に会えるかどうか探りを入れた。
「当番制で学校に来たり見回りしたり…そういうの含め仕事と、あと個人的な事で言えば読書とか」
「実家帰ったりしないの？」
「年末年始は帰るよ。すぐ近くなんだ、車で一時間もかからない」
「じゃあ暇？」
「暇、ではない。暇な日はあるよ」
「俺せんせーに会いたくなると思う。多分。」
とは言え、学校で会うのはきっと普段の授業のある日みたいにはいかないだろうし。外で例えば恋人同士みたいに、あるいはせめて友達同士に見えるようにして会うわけにもいかない。何より生活圏では顔見知りに会う可能性が高すぎる。そんなのはガキの俺より大人の先生の方がわかっていた事で。
「僕の家に来る？」
ちょっとだけそう言ってもらえることに期待していたのを恐らく見抜いて、先生はそう言ったんだと思う。
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7oh(プロフ) - 薫さん、おはようございます！読んでいただきありがとうございます。褒めてもらえてうれしいです！ありがたきハピネスです！！葉山先生より少し色がある、っていうのグッときました。先生側の話もお楽しみに！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: c7b4c0e1dc (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 7ohさんこんばんは！いっきに読んでしまいました。翔くんの歳下なのに潤の扱い方とかチャラい外見とか、私の好きな要素がつまっててありがとうの世界です！潤は、葉山先生より少し色がある感じ…翔く素敵です。いいです。別バージョン楽しみに待ってます (2019年7月1日 2時) (レス) id: 93fa30b886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：7oh
| 作成日時：2019年6月30日 21時
