〈 03 〉 ページ23
＊03＊
「……」
待て、動揺するな私。
いくら降谷さんが別人のようだからって、
それは今に始まった事じゃないんだし。
それに言ってたじゃないか。
降谷さん、喫茶店でアルバイトをしているって…
そう、第一あれは降谷さんではなく…
「…安室さんか。」
今は安室さんの時だから、
私と知り合いだって思われると厄介かもね…
「アン！」
「シッ！行くよ、ハロくん」
「従妹」の設定も、知られ過ぎるのは良くないし…
他人を装うのが１番な気がする。
「……」
ちょっとばかし、早歩きになってしまった。
＊＊＊
午後7時。
「……」
「ただいま。思ったより仕事が長引いて、悪かったよ。」
「……」
スーツ着てる…
「安室さん」から「降谷さん」に…
本当に忙しい人なんだなぁ…
「待ってろよ。フワフワのオムライスを作ってやる。」
忙しい、のに…
「私も…」
「え？」
時間を縫って、帰って来てくれているんだから…
「私も手伝います」
そろそろ、少しずつでも恩を返していかないと…！
-5分後-
「下手くそ…」
「！」
「もう良いから変わりなさい」
やはり現実は、上手くいかない。
「卵はそう素早く混ぜなくともこうやって…」
「……」
料理なんて、経験ゼロだけど…
降谷さんの料理している姿を毎日見るから、
自然と私も身についているかな…と思ったのに。
「……」
「……そう挫けるな。僕だって最初は客に料理を振る舞える自信など無かったが、ポアロで働き始めてからは」
「ポアロ…」
あの喫茶店の名前…ですか。
「……」
「＿＿＿＿それで、…って、どうした？」
「いや…」
「先ほどから様子がおかしいぞ、A。」
おかしい…
私、"おかしい" の？
「……何でもないですっ」
「そうか？」
また降谷さんに下らない心配をかける訳にはいかないし…
「やっぱり私、手伝わないで待ってます」
「最初からそれで良いんだ」
私も私で、変な事はあまり考えないでおこう…
「そういえばな」
「はい…？」
「昼間のアレは、笑ったぞ」
「……昼間？」
え…？
いや、まさか…！？
Aありがたオムライス
どんな変換ミスよ！？
「ふ、降谷さん…！」
「ははは(笑)」
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juno108(プロフ) - とっても面白いです!続きがすごく気になります！ (2020年5月20日 13時) (
レス) id: 73960369a7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 70b86fd223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴこ | 作成日時：2019年1月13日 2時
