どんな君も愛してる【青】 (ページ23)

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第二十二話ページ23

あみside

私には4年間付き合っていた彼氏がいた

1人も友達がいない大学に入学した私が、どうにかして友達を作れないものかと思って参加した入学式がの歓迎会で出会ったのが彼

彼は３つ上の先輩で、私が入学した時にはすでに4年生

成績も優秀で容姿も淡麗、当たり前に学校でも人気者

そんな彼がなんで私なんかと付き合ってくれていたのかは分からないけど、歓迎会で人見知りを発揮して誰とも話せていなかった私を会話の輪に入れてくれたのがきっかけだったと思う

その場の流れで連絡先を交換して、後に学部が一緒だってわかって授業の選択方法とかを色々教えてもらって、連絡を取り合ってるうちにだんだんと仲良くなった

そして一年生の終わりに告白された

もちろん私もOKして、交際が始まった

彼は大学を卒業して、それなりの大企業で働き出した

私は大学で学びながらバイトをして、空いた時間で彼に会ってデートをした

ごく普通のカップルだった、本当に普通の。

付き合い始めて3年目の春、私の大学卒業と同時に同棲を始めた

彼の収入は安定していたし、私の収入も悪くなかったから苦労することもなく暮らせたし何より大好きな彼とずっと一緒にいられることが嬉しかった

なのにその一年後、突然彼に別れを切り出された

「お前は全部が普通でつまんない。最初はその普通な感じがいいと思ったけど飽きたわ。」って。

淡々と言われる事に私は何も反論できなかった

確かに自分には何もなかったから

2日後には彼は全ての荷物を持って出て行った

その時にはもう十分な収入があったから私はその家に残った

次に彼を見かけた時、隣にはガッツリ空いた胸元から凍れ落ちそうな胸をこれでもかと主張した派手で煌びやかな女の人がいた

人前だというのに腕を組んで身を寄せ合ってデレデレとした笑顔を浮かべて

それを見た時になぜか、変わらなきゃって思った

たったそれだけだったけど、大好きだった彼を取られた状況だった私には十分だったんだ

だからメイクの研究を始めた

学歴や賞歴、経歴は変えられないし、体型や苗字はすぐに変えるのは難しい

比較的簡単に回ることができるメイクは私にとっての希望だったんだ。