どんな君も愛してる【青】 (ページ12)

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第十一話ページ12

あみside

次の日

いつもみたいに芸能人風メイクをするわけにもいかず、当たり前ながら渡辺さん風メイクをするわけにもいかず、かといって普段の通勤スタイルで行くのも失礼

どうしようと悩んだ結果、芸能人の誰に似てる訳でもないけど確実に素顔の私じゃない “整形メイク" をして約束のカフェに向かった

カフェに入ったら、あの時私が間違えられたのと同じ席に座ってる青いセーターの女の人

あの人が渡辺さんの妹かな？

顔見えないから分かんないんだよね

他に若い女の人はいないし、ほぼ間違いないと思うけど念の為DMで確認してみよう

ここで私が間違えても人まちがいのオンパレードで訳わかんなくなりそうだし

今カフェにつきました。
入り口のとこにいるのですが、青いセーターを着ていますか?

既読がついたから直ぐ返信が来るだろうと思ったら、それより先にその女の人がくるっとこっちを向いてと大きく頷いた

渡辺さんの妹で合ってたらしい

『お待たせしてすみません、あみです。』

妹「こちらこそわざわざすみません！兄がご迷惑おかけしてます」

『いやいやこちらこそ！こんな事になるとは…』

会った瞬間からお互いがヘコヘコ頭を下げ合うものだからなんかおかしくなってきちゃって、2人で目を見合わせて思わず笑っちゃう

ていうかさすが渡辺翔太の妹、可愛すぎる

整った顔に施されてるメイクはだいぶ薄めなのに、シンプルで整った顔立ちを強調させてて手抜き感はない

それに確かに渡辺さんにそっくり

特にぷくっとした大きめの涙袋が似てる

兄弟だから当たり前なのかも知れないけど

妹「よし、じゃあ行きましょうか！」

『…どこにですか！？』

妹「ついたら分かります！とにかく行きましょう！」

『えっ、あ！ちょっと待って！』

なんて話を切り出したらいいかな、とりあえず名前を聞くべき？とか色々考えてたら急に立ち上がって荷物をまとめ出した

私に拒否権はないらしく、急いで妹さんのとこに行く

お会計をしてるから、私が来るより前になんか頼んでたみたい

カフェから出て迷いなく歩いていくけど、ほんとにどこに向かってんだろ

私の家とは全く逆方向で土地勘もないから想像つかないんだよね...