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第32話【ホラーな能力披露】*夜月禍蘇未視点* ページ32

学園内を物色できた時間は短く、時刻はすぐに10時を刻んだ。


次は私の出番。だが緊張はしていない。

美空先輩、黒崎先輩、白鳥先輩、弓澤先輩。

みんな凄いパフォーマンスだった。さすがは三年生の生徒会役員

といったところだ。


弓澤先輩がステージから降りてくると、陽気な放送部の声が私を呼ぶ。


『さあさあ次に参りましょう! 二年生トップバッター。夜月禍蘇未ちゃんでーす!』


「はいはいー禍蘇未ですー」


ステージに上っても、やはり緊張はしない。


「では、私の能力を披露しますね。私の能力は口でいうと分かり辛いので、ここで実際に見せます」


『おー! どんなパフォーマンスにか楽しみですねー!』


「じゃあまずはそこから」


そう言ってたまたま瞳に写った1年生を指差す。

その1年生は焦って「えっ」を連呼している。悪いが、

これから起こることにまだ驚いてもらわなければいけない。


「じゃあいきます······」


私がパチンと指を鳴らすと、さっき指差した子が、「うわっ」と声をあげて急に尻餅をついた。


「いたたた······な、なんだよこれ!?」


そう言ってその1年生は椅子を掴もうとするが、その手は椅子をすり抜ける。

続けて私は、なんの声もかけずに1年生全員の椅子を「消した」。

椅子が1年生達の体をすり抜け、全1年生は同時に床に倒れる。

「これホラーだろ」という声があちこちからするが、気にしない。


私はステージから降りた。


「新入生の皆さん。今の痛かったですよね?私に触れられたら、謝ってあげます」


自分でも性格悪いなと思った。でもこの方法が私の能力を披露するのにはベストなのだ。


「時間圧してるので、制限時間は5分にしますね。よーい······スタート」


新入生ほぼ全員が私に触れようとするが、その手は私をすり抜け続け、

結局誰一人私に触れられなかった。


「私は、ものを消す能力です。消したものはさっきみたいにすり抜けます」


放送部の先輩から見れば、今の私の能力披露は意味不明な行動このうえない。

そのせいか放送が止まっているので、一人話を進め、
最後に「ありがとうございました」を言ってステージを降りた。



私の中では大成功。

第33話【物色中】*神崎真視点*→←第31話【現在、能力披露傍観中】*野鶴千暁視点*



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ゆゆっち(プロフ) - 編集終わりました言うの忘れてました。 ごめんなさい。いや、本当に。 (2016年10月24日 13時) (レス) id: 98dba72c5e (このIDを非表示/違反報告)
みやみや★(プロフ) - 少し自分の所に修正加えました (2016年10月23日 22時) (レス) id: 96df6d41c7 (このIDを非表示/違反報告)
光輝@心響トランペット命(プロフ) - すみません、非公開になっていたものは公開しました。 (2016年10月23日 21時) (レス) id: ffe92a8306 (このIDを非表示/違反報告)
本格小説製作委員会白鯨ちゃん/プロフ必読(プロフ) - 続編でしょうね (2016年10月23日 11時) (レス) id: 547af87a2f (このIDを非表示/違反報告)
たくっちさんもキドさんも尊い@暖ゴロ(プロフ) - 続編…………ですかね。 (2016年10月23日 11時) (レス) id: 4f259d5ac7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狂兎 x他17人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年10月11日 22時

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