【募集企画】柞吹学園【小説】 (ページ19)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:17,599 hit

第19話【入学式という名の……】野鶴千暁視点ページ19

入学式、それは人間観察の場である。

他のやつらは"だりー"だとか"ねみー"だとか言っているが！しかし！そんなやつらほど面白い反応をするんだ！多分！

……と言っている間に端の方から視線が。
100%あいつだな。

案の定、そちらに目をやると
「ちあくーん」
と手をふるルビ。

おい、副議長、何してるんだ

と思いつつも周りには気付かれないように脚の上で手をふりかえす。もうこれは習性だな。

何かカレー思い出した。朝なんも食べてないな……。あとで作ろう。

さぁ、観察の再開だ。
1年生のこの面持ちは毎年変わらない。
数年前の自分もそうだったように、彼らも緊張したり、"青春♪青春♪"と頭の上で音符を踊らせていたり。
そこの少年。いい高校生活を送れるといいな。先輩は、応援しているぞ。

と全員が席に着いたと思うと、生徒会長、美空が。あいつも大変だな。誰も聞いていないのにあんなの読まされて。つくづく思うが、台本厚すぎないか？

ブーブーッブーブーッブーブーッブーブーッ

あほか、あいつ。
教師共や後ろの親族の皆様に隠れて携帯を取り出す。

ルビィ生徒会長の話、つまんないねルビィはうわうはールビィ長すぎだよールビィちあくーん、遊んでー

今年の生徒会大丈夫か？おい
何だ"はうわうはー"って
生徒会長も可哀想に。

千暁いやどーやって遊ぶのルビィわかんない!

おい

ルビィちあくーん、ちーあーくーんルビィねえねえちあくーんルビィちあくんちあくんちあくんちあくんちあくんちあくん

野鶴千暁、大量発生中です。

千暁今は入学式中。静かにしましょう。ルビィはーい

こういうところが素直だからいいんだよな。あいつ。

前言撤回。

遊びに行きやがった。バカめ。

本日3回目だが、気の毒な彼の為に言おう。

美空、お疲れ

そういえば、次のクイズ大会俺も出るんだよな。やば