+ 弐拾壱 + ページ22
×
ひとりの少女に恐れ慄き ､ 逃げ出していったヤンキーの姿は実に滑稽だった ｡
が ｡ 刹那 ､ 堂々としていた桜子が膝から崩れ落ちる ｡ 僅かに震える彼女に庇護欲を抱いたのか ､ 武田と信長はすぐさま駆け寄った ｡
｢ 本郷 …… ｣
｢ 武田さん ､ ｣
｢ 落ち着け桜子 ､ もう奴等はいない ｣
｢ 織田さん ､ ｣
安堵の息を吐いた桜子は代紋を持っている拳をぎゅっと握りしめた ｡
硬い代紋は彼女の掌に傷をつけてしまうだろうと力強く手を握る彼女に対し ､ 信長は先日と同じように自分を傷つけるのを止めさせた ｡
｢ 一体それは何のバッチですか ? ｣
｢ これは ､ ｣
｢ 本郷は ……�猖楸唇豌鉢瓩� ､ ｣
｢ 武田さんはご存知ですか … 私は組長の娘なのです ｣
関東最大勢力を誇る反社会的勢力�猖楸唇豌鉢瓱；；�
仁義と人の道を重んじる極道一家だったが ､ 当代当主から指針を外れ ､ 極悪非道の組として畏怖される
�猖楸唇豌鉢畫板垢量� ､ 本郷桜子 ｡
心優しい少女で暴力的な面はまったくと言っていいほど窺えず ､ むしろ無縁のように見える ｡
｢ くれぐれも内密にして頂けませんか ｣
｢ 桜子が何者であろうと俺には関係ない ｣
｢ 勿論です … ! ! 桜子さんが嫌がるようなことは絶対に致しませんから ! ! ｣
｢ あぁ … それに�猖楸伸瓩侶豈鐚圓肇丱譴譴仭世錣譴覯椎柔�も否めないからな ｣
｢ 織田さん ､ みやびさん ､ 武田さん … 感謝致します ｣
そう言って涙を浮かべながら微笑んだ桜子にひとり ､ またもうひとりと虜にされていくのだった ｡
波乱の旗印戦を終えると信長が去り ､ みやびが去り ､ 桜子が去り ､ 秘書の魔村がドローンを掲げた ｡
《 武田信玄くんの勝利 ! これにより205人が脱落し ､ 武田くんは205ポイント獲得 》
騒然していた教室が徐々に秩序を取り戻し始めた頃 ､ 肩頬を赤く腫らした桜子が姿を見せた ｡
涙の跡を残す彼女の姿に場が一瞬にして静まり返る ｡
｢ 桜子ちゃん ! ｣
｢ わっ ､ ぇ ､ う ､ うえすぎさんっ … ! ? ｣
後ろ扉のところで不安げに視線を泳がせる桜子に真っ先に飛びついたのは上杉だった ｡
長身の彼の腕の中にすっぽり収まった彼女は赤く腫れた頬を更に真っ赤に染めて狼狽えた ｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます！！！続きが見たいです！！ (9月25日 9時) (
レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです！頑張ってください楽しみにしてます！！ (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十日夜香耶 | 作成日時：2022年9月25日 0時
