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旗印戦にて標的である武田は頑丈な扉の化粧室で籠城を決め込んでいた 。
並大抵の力では侵入は不可能に近いと推測される 。



「 さすがの武田も205人相手にするのは無理やろ 」

「 いや 、 逆説的に考えればこれは大いなる好機 」

「 ん ? どういうこと ? 」

「 旗印戦は勝てば相手が持つポイントを獲得できる 。
もし武田が勝てば一挙に205ポイント獲得 、 つまり 」

「 つまり武田が勝てば一気に総長に近づく ! 」



特進随一の頭脳を持つ黒田の推察に対し 、 閃いたように秀吉は発言した 。 良いところを取られた黒田の表情はあまり芳しくない 。



「 それだけじゃない 。 旗印戦は掲げた側が負けた場合 、 旗印戦の参加資格は奪われる 」

「 … でも挑戦される側が負けても獲得したポイントは減らずにそのままです 」

「 「 つまり 」 」

「 武田は負けても失うもんがない ! 」

「 っ 、 あのさぁ ! 秀吉くんなんなのかな 、 さっきから ! 自分で喋れば良いじゃん ? じゃあ 」



悉く台詞を奪われた黒田が説教しようとするが井伊達に邪魔だと言われ 、 更に激情する 。
飄々とした日頃の黒田とは違い 、 直情的な様子に隣に座る桜子も楽しそうに笑む 。

花笑む彼女の手をさり気なく握る上杉が真剣に考察する一方 、 現れた伊達により場は混沌を極める 。



「 それは ! 作戦を練るためだ 」

「 伊達さん … それはこすぷれ 、 ですか ? 」

「 さっきから誰なんだよ ! 本郷は興味を示すな ! 」

「 気づくの遅くないか ! フレディ ・ マーキュリーだ 」



白いタンクトップと白いパンツ姿 、 髭と胸毛を蓄えてマイクを持つ伊達は先程から教室にいたらしい 。

天然な桜子が片言で伊達に問うと激情する黒田に発言を一刀両断され 、 彼女はしゅんとする 。
そんな彼女の頭をここぞとばかりに上杉は撫でた 。



「 私とフレディは9月5日 … 同じ誕生日だ 。 (9)(5)えた誕生日を … 覚えてくれ 」



背中を反る決めポーズはスクリーンに被ってしまい 、 大ブーイングが起こる 。 拗ねた表情をする伊達は胸毛を桜子の手に置く 。



「 可愛く愛しい姫には 、 これを 」

「 えっ ! ? 」

「 そんなもん捨てちまえ 」

「 黒田の言う通りだ 、 綺麗な手が穢れてしまう 」



床に落とした胸毛の残骸を見る上杉と黒田の視線は酷く冷えきっていた 。

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静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます!!!続きが見たいです!! (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです!頑張ってください楽しみにしてます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十日夜香耶 | 作成日時:2022年9月25日 0時

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