下剋上その１４ ページ15
「？なんだその顔。…………ああ、なるほどな。オマエもそのクチか」
『え？』
少年は私の手を取ると、真剣な眼差しで重ねた手を見つめる。
次の瞬間、何かがゆっくりと流れ込む感覚を感じた。
えっ、なにこれ。呪力？それともオーラ的なあれか？
するとその何かが流れ込んでいくうちに、少しずつ汗や呼吸も収まっていく。
そして私の体の状態も元に戻り、私は首を傾げて疑問を呈した。
『…何をしたの？』
「俺の呪力を流して体を慣れさせた。俺ってばすげえ強いからさ、よくいるんだよ。俺のこと見て変になるやつ」
『……へぇ』
というか変になるって言い方なんかやめろ。子供相手に興奮してる変態みたいな言い方すんな。
「つーかオマエ、こんなところで一人で何してんだ？ぼっちかよ」
『ぼっちじゃないし。あとそれは私のセリフだよ。キミ誰？なんでここにいるの？』
「……はァ？オマエ、俺の事知らねーの？信じらんねえっ！」
『別におかしくないでしょ！私とキミは初対面だし』
「マジ有り得ね〜！五条悟の名を知らない野郎が呪術界にいるなんて！」
『……ちょっと待って、今五条悟って言った？』
「言ったけど」
えええウッソだろお前まじか。五条悟ってアレじゃん、五条家の神童とか言う奴。
嘘かもしれないけど…ぶっちゃけそれは十中八九有り得ない。
今禪院家には五条家が訪れているため、彼がここにいても辻褄が合うし、何よりこの少年はただの少年じゃあない。
特にさっき感じた格の違いが、嫌という程私をそう思わせた。
「じゃー次は俺が聞く番な。オマエ誰？ここで何してんの？」
『…私は禪院A。紙飛行機飛ばしてた』
「カミヒコウキ？」
『知らないの？』
「いや、し、知ってるし」
(知らないのか…)
今時紙飛行機を知らない子供がいるとは…まぁ名家の坊ちゃんって言うし、お筝とかそういう習い事ばかりやらされてるんだろうな。カワイソ。
『じゃ、私はこれで』
「はァ？！教えろよ！そのカミヒコウキってヤツ！！」
『ヤダよ面倒くさい。それにキミ、今遊んでても大丈夫なの？』
「だ…いじょうぶ、ではないけど……」
ま、ガキのやることだ。
大方面倒くさいから抜け出してきた、とかそんなもんだろ。
こいつ見るからに骨の髄までクソガキ魂極まれり、みたいな感じだしな。
(神童だかなんだか知らんけど、やっぱガキはガキだな)
私は心の中で、少年をフンと鼻で笑った。
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アリス(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです( ˙˘˙ ) (2022年3月10日 23時) (
レス) @page14 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ボーダーラインさん» そう言って貰えて嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります！ (2022年3月10日 17時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - キャプションで食いついて一気に拝読させて頂きました。あー主人公の性格好き！「下剋上して♡」の団扇とペンラを振りながら読んでしまった…。甚爾に最後で爆弾を投下していくスタイル、いいですねぇ。五条との邂逅も気になる〜！ペンラ振って更新待ってます！！ (2022年3月10日 16時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！がんばります！ (2022年3月9日 18時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 更新待ってます！！ (2022年3月9日 5時) (レス) @page8 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝋燭 | 作成日時：2022年3月7日 21時
