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それから30分もしないうちに
広臣さんの胸ポケットから
スマートフォンの着信音が
鳴り始めた。
眉をしかめた広臣さんが
うっすら目を開けて体を起こし、
スマートフォンを取り出して耳に当てる。
「……おー。うん。
分かった、今から出るわ」
言葉少なにそう話し、
広臣さんはスマートフォンを
また胸ポケットに戻した。
首を左右に動かして眠そうに目を瞬かせ、
タオルケットに気づいて表情を緩める。
「これ、かけてくれたんだ。さんきゅ」
「いえ……」
きっと今の電話は隆二さんで、
屋敷の前にお迎えに来たと言われたのだろう。
広臣さんが帰ってしまうのが淋しくて俯くと、
ふと肩に重みを感じてびっくりする。
「ちょっと楽になったわ……ありがと」
「あ、いえ、少しでもお休みになれたなら
よかったです」
正面から肩に頭を乗せられて、
くっつかれていることに
どぎまぎしながらそう答えると
広臣さんはため息を吐いた。
「……罪悪感がやばい」
「え……？」
「お前の優しさに甘えそうになる度に、
俺にはそんな資格ないって
自分に言い聞かせなきゃなんない。
ていうかさ、こないだ俺に
あんだけひどいことされて
何でこんな優しくできんの？
もしあの時健ちゃんから
電話かかってきてなかったら、
制服全部脱がされてたかもよ？」
その言葉に、顔から火が出そうになる。
シャツの下のキャミソールを見られただけで
恥ずかしかったのに、
そんなことをされていたら
さすがに恥ずかしすぎて
二度と顔を合わせられなかったかもしれない。
『お仕置き』があれだけで済んでよかった、と
内心安堵していると、
私の肩から顔を上げた広臣さんが
困ったような表情を浮かべてこちらを見た。
「あんま優しくすんなよ。
つけ込みたくなるから」
そう言って、広臣さんは
私のおでこにそっとキスをした。
頭をポンポンと軽く叩いて立ち上がり、
「また来るよ」と言い残して応接間を出て行く。
お見送りしたかったのに、
広臣さんの振る舞いにどきどきして
胸が苦しくなって、
立ち上がることができなかった。
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なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (
レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな？無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます！今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので！！楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年10月17日 19時
