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ガラスが48枚 ページ3

踊り子side

 お茶会が終わり、Aは先に部屋に戻っていった。初試合の直ぐ後だったから疲れているでしょうし。
 私も片付けが終わって部屋に戻ろうとしたとき、声が聞こえたの。私の部屋はAの部屋の向こうだったから、別にわざと聴こうと思ったわけじゃないのよ?不可抗力よ。
 それに、日記のことを伝えるのを忘れていたから、それもあって…って、こんな言い訳している場合じゃないのよ!

 どうしましょう…。
 何でかわからないけれど、泣いてるのよ。通りかかって話もきいちゃった以上、何もしないわけにも…。でも私には関係ないことよ。無視してしまいましょう?別に情けをかけるために集まっているわけじゃないし、ここにいる以上、ここにいるだけのことをしでかしているのだし…。

…そうよ。Aだって何かしでかしたからここにいるのよ。自業自得なのよ、きっと。あんないい子に見えてもね。関わったら碌なことにならない。

 親が冤罪で信用を失ったせいでおかしくなってしまったとか…知らないわよ。

 知らない、のよ。

 「助けて」なんて…こっちが言いたいのであって。

 こんなの、どうでもよくて。

 扉が半分開いてたのがいけなくて、私がかかわる必要は…

踊「もう!なんなのよ!何があったのよ!いえるなら言ってみなさい!」
『…え…?お、踊り子さん…?』

…何してんのよマルガレータ・ツェレ!
 びっくりしちゃってるじゃない!って違くて!別にAのことを思ってるわけじゃなくて…。

…もういいわ。

踊「ほら、なんでもいいから、早く。私だって暇じゃないの。」
『…私の家族は呪われてるんだって、何人もの人がそうやって言ったんです。』

 Aは少し躊躇った後、語り始めた。
 その話は正直信じがたいものばかりだった。結局何も、Aは悪くなかった。どうしてこの子はその状況でそんないい子になれたのか、話を聞いてるうちに苦しくなった。
 やっぱり、碌なことにならない。聞かなきゃよかった。
 多分、ヘレナやクラークみたいな感じ。この子は結局善人なのよ。
…少しでも同族だと思った私が馬鹿みたいね。

__

踊「落ち着いた?」
『…っはい…。ごめんなさい…まだ私、名前も覚えてないのに。聴いてもらっちゃって…。』
踊「ほんとよ。早く覚えなさいよ?」

…どうして私、善人みたいにしてるんでしょうね。本当におかしいわ。

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作者名:飴の子 | 作成日時:2025年6月17日 19時

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