〃＊ ページ2
「そっかニノちゃん
おじいさま達と会えたんだったね
よかったねぇ」
ニコニコの雅紀のいつもの笑顔
けれど
智はどこか違和感を感じた
少し痩せたせい？
忙しかったから？
どう表現していいのか
お日様に霞がかかったような
どうにもスッキリしないものを感じた
その違和感が何なのか
答えが出る前に和也が話し始める
「そうなんだ
何年ぶりになるのかな？
やっと 再会できてホッとした
あの時の俺はさ じいちゃん達に
迷惑かけちゃいけないって
そう思ってじいちゃん達に
わざと冷たく当たって
距離を置いたんだ
俺は血の繋がりも無いし
じいちゃん達には
しぃをみてもらわなきゃならなかったし
俺まで迷惑かける訳にはいかないって
そんなふうに思ってた…」
開店準備の手は休めることなく
口も動く和也
和也の話に耳を傾けながらも
雅紀が気になり手を止める智
「そんな俺の態度が
じいちゃん達には
自分の娘が
俺の父親の命をを奪ったって
責められてる気がしてたんだって
───申し訳なく感じて
───それで俺との距離を
置くようになったんだって……
そんなこと微塵も
思ったことなかったのに
迷惑掛けたくなかっただけなのに
じいちゃん達に
幸せでいてほしかっただけなのに……」
和也の鼻がスンと小さな音をたてる
「ニノちゃん……
ニノちゃんのこれまでのこと
なんにも知らない俺が
こんなこと言ったって
何言ってんだってなるだろうけど
このコーヒー飲んだらさ
お互いが思い合ってることがわかるよ
ニノちゃんが
おじいさま達を思っていれた
あのコーヒーは美味しかった
そしてニノちゃんを思って
おじいさまが教えて下さった
このコーヒーはさらに美味しくなった」
雅紀はコーヒーをひと口飲み
深く頷く
「うん！
すんごく 美味しい
お互い誤解はあったみたいだけど
離れていた間も
きっとお互いを思ってた
それでいいんじゃあないかなぁ……」
雅紀は丁寧にカップを置くと
和也に微笑んだ
「そうだね
相葉さんの言う通りだ
今こうやってじいちゃんから
色々教わってる
しぃやばあちゃんの笑顔に会える
それでいい
それだけでいいや！」
雅紀につられて
和也もニッコリ微笑み
さぁとばかりパンと手を鳴らした
「智くん 開店しよっ」
和也の晴れやかな顔に
智も思わず嬉しくなった
わずかに感じた霞がかった気持ちは
“Open”の札をひっくり返すため
外に出ようと扉を開けた時の
チリンという小さな音と一緒に
忘れてしまった
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43(プロフ) - 大変お待たせして申し訳ありませんでした。見捨てることなくページを開いてくださった皆様、ありがとうございました。亀更新が続きますが、完結目指してカーソルはノロノロと進んでいっております。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。よろしくお願い致します。 (2021年5月12日 21時) (
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作者名：43 | 作成日時：2021年5月12日 21時
