雨に濡れた日 4

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# Leo




「タチ悪いなほんま」




契約を打ち切ると突然言われ、慌ててその会社へと向かった。



隣に大事な後輩を乗せていない、それだけで俺の車のスピードは暴走ギリギリ、ぐんぐんと上がった。



乱れた髪やネクタイはそのままに、出向いたオフィスビルの一階に、既にその人はいた。



着いて早々、挨拶よりも先に溜め息をつかれた。






その取引先の担当者は、ぼそっと更に呟いた。







「わざわざごめんな、来てくれて。

今夜から出張やから、早めにと思って。

……取引先変えるとか普通はあんませえへんけど」





「……弊社の商品に不足があれば、」




平静を装って、これまでに乗り越えた案件と同等の手段へと進む。


されど頭では分かっていた。


先方が、というよりこの人が求める物ははそんな対応ではない。







「上が決めたことやから」



「……そうですか」





向き合ったまま苦いコーヒーを口にする。







「……俺とどんなつもりで会ってたん？」




「……彼女とお付き合いされてるの、知らなかったんで」




「嘘やろ。それにA彼氏いるって言わんかったん？」



「知ってましたよ。

でもそれも含めて呑みの席で、俺あなたにその相談して、奪ったら良いって、あなたが俺に言いましたよね」



「……」




話し合いは、穏やかではない方向へと進む。

人目につかない席とは言え、居心地の悪さを覚える。






「……知らなかったんですよねきっと。


そっちこそ逆に、いつ知ったんですか？」






「……あんだけ目の前でイチャイチャされたらわかるわ」





笑ってる。

だけど確実に、心は違う。

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