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『えっと…エーミールさん…？』
em「！長いので、エミさん、でいいですよ」
『エミさん。私のことも名前で呼んでくださいよ』
em「Aさん。…あ、あの、連絡先交換しませんか…？」
私はその申し出にこくりと頷いた。
ぱっと嬉しそうに笑顔を咲かせたエミさんを見て、くすりと思わず笑ってしまった。
幸いエミさんには気付かれていないが、ころころと表情を変えるその様子は子犬のようだった。
em「あ、でも私今携帯を持っていないので、連絡先書きます」
教えてください、と言うエミさんに了承すると、彼は紙とペンを取り出した。
彼に連絡先を伝え、彼がそれを書き終えたのを確認すると、ふとペンに目が止まる。
『…そのペン』
em「あ、これですか？」
『はい…それ、亡くなった友人が持っていたのと同じで…母に入学祝いに貰ったと喜んでいたなぁ、と』
em「そうなんですか。…これ、良かったら要りますか？」
『え？』
いいんですか、と驚く私に、柔らかい笑みを浮かべて頷くエミさん。
em「Aさんは、グルッペンさんの義兄弟となったことで色々大変なことがあることと思います。その中で貴女の味方でいてくださったご友人はとても大きな存在だったのでしょう？」
『…はい』
em「そのご友人の代わりにはなりませんが、同じペンを持っていることで少しでも心に支えになれるのなら」
どうぞ、とペンを差し出すエミさんから、おずおずと受け取った。
高価そうなそのペンは、ずっしりと重みがあり、あまり見たことのないデザインのものだった。
『…有難う御座います』
em「いえ、こんなことくらいしかできませんから」
『少し、心が軽くなった気がします』
友人の持っていたものではないが、同じペンだと思うと、まるで友人が側にいてくれるように感じた。
と同時にエミさんの優しさが、心に染みる。
「エミさん！」
『っ！？(ﾋﾞｸｯ)』
em「もう、図書室に入るときは静かにと言ったでしょう」
バンっと大きな音を立てて扉を開いた人物に、エミさんが少し厳しめに注意をした。
音に驚き肩を震わせた私は一拍遅れて其方に視線を移すと、見覚えのある緑のパーカー。
『ゾム』
zm「あれ？Aとエミさん一緒におるやん」
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なな - この話面白くてすきです！ (2021年7月19日 9時) (
レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
なな - こ (2021年7月19日 9時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
タラコ - すみません。42話のところの『''和食''は存在しないけど、、、』のところ和食と日本食逆になってると思います！ (2021年2月23日 9時) (レス) id: d000e7e9d5 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃい - モモさん» 有難う御座います！本当だ、急に話がとんでしまってますね…ご指摘有難う御座います！更新コツコツ頑張らせていただきます。 (2021年1月24日 9時) (レス) id: d7c3fd666c (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - めっっちゃ好きです…！36話から42話になってますよ！更新頑張ってください！！ (2021年1月23日 9時) (レス) id: 822858a868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むっちゃい | 作成日時：2021年1月8日 16時
