学パロ２

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『はい、もしもし』


バイトの面接を受けた後だったので、その連絡だと思い見知らぬ番号の電話を取る。スマホを耳に当てて、背筋を伸ばして、緊張。そして周りを見て慌ててパソコンに触って、見ていた動画を停止する。


カ「…もしもし、…A、ですか？」



『…はい？…あのー、どちらさまでしょうか…？』

下の名前で呼ばれて、首をかしげる。・・・友達？？誰だろ、

カ「…カンタ、ですけども」

『えッ』

音が届いてびっくりして、座っていたのに少し跳ねる。なんなんなん、なんで、

カ「………。(マジで連絡先消してた)」
『………。(この前無視したのになんで電話してくるの？？)』


少しの時間、二人とも黙り込んでしまう。
わたしは手汗がすごくて、スマホを持ち替えて、座っていられなくて立ち上がって歩き出して。
飲み物を求めて冷蔵庫に向かった。

カ「トミーから聞いて、…その、しんどかったらウチ来たら、って思って。心配で、」

『あ、え？…ああ、…ああ、はい、…』

カ「今トミーとYouTubeやってて、…」

『…、はい、知って、ます』

カ「ほんと？」

『はい、』


毎日、見てますって言いかけて気持ち悪いかも、って思ってやめる。先輩は、あんまり変わってなくて声だけでは感情は分からない。

カ「それで、後輩と、…あ。まんずも一緒に住んでて、」

『はい』

カ「信頼できて手伝ってくれる人、探してて」

『…なるほど』

カ「Aがそうなってくれたら、嬉しいなー、って」

『…』

カ「もちろん！家探しして再就職が優先で！それでいいから！もし、迷惑じゃなかったら、」

言葉の選び方や流れに、どことなく富永先輩を感じて違和感を感じる。どうしても気になって、取り繕うこともせず、聞いてみる。

『…富永先輩にそう言えって言われました？』

カ「え゛っ゛」

あからさまにどっきーん！ってした先輩に、思わず吹き出して笑ってしまう。変わってない。



『っふふ、』

カ「なんでわかんの！？ねえ！」

『いや、なんか佐藤先輩っぽくないから、…しかも指摘されたとき、動揺しすぎですよ。バレバレ、』

カ「ねえ久しぶりなんだから説教しないで」

いじけて、もごもご喋る先輩がかわいくて、目尻が下がる。
付き合っていたときもこういうやりとりを楽しんだことを思い出して。
穏やかな気持ちになって。するり、と言葉が零れた。








つづく

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