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カンタside
キ「カンタさんは片思いというよりは、付き合ってるみたいに振る舞いますね」
カ「…わかるぅ？」
自己嫌悪で体のチカラが抜ける。キイチにまで悟られるなんて。顔を引きつらせて笑う俺を見て、キイチがこわ、と呟いた。そこを狙ったように、買い出しに出かけていたAからLINEがくる。
Aお母さんが怪我をしたので、すこしの間実家に帰らせてください
ここの住人がみんな入ってるLINEにきたので、キイチもスマホを確認して、お、って顔をして俺を見る。
カ「…これホントかな、」
キ「……思っても言っちゃダメなやつです、はい」
こうやって自然とここから出て、ほかの誰かのものになるのではという考えがのしかかってきて、なかなかソファから立てなかった。
このままの距離感で、むこうがもしほかの誰かと付き合ってしまったら、俺とAは完全にただの友達。それが嫌なのか、受け入れることも可能なのかとか以前の問題で、Aは俺の、って思っている自分がどうしても消しきれない。
Aが実家に帰った日は平気だった。
二日目の夜になって、落ち着かない自分に気が付いて。
三日目の朝、リビングのソファに座った俺を見たまんずが言い放った言葉で、俺はいてもたってもいられなくなる。
カ「それホントなん？」
ま「…言ってなかったでしたっけ」
カ「聞いてねえよ」
大学の時、普通に彼氏いましたよ。
まんずの澄ました顔がムカつく。なに普通にって。どこにかかる普通？っていうか元彼氏、どこのどいつ？
カ「いた、ってことはもう、」
ま「別れたって言ってましたね。束縛きつかったみたいで」
俺より背が高くて俺より女慣れしてて俺よりAに優しい、どっかの誰かに手を引かれるA。どんどん顔が近付いてって、
カ「あーーーーーーーーーーーー」
ま「通えない距離じゃないんでね、迎え行ってもいいと思いますよ」
カ「…俺、まんずのこと好きじゃないけどありがとう」
ま「なんでそんなこと言うんすか」
カ「…ごめん」
ま「俺はカンタさんもAも大事なんで」
ッチ！
いいやつすぎてムカついて舌打ちをして立ち上がる。迎え行かなきゃ、
ま「なんで舌打ちするんすか、感じ悪いっすよ」
カ「実家の住所送っといて」
ま「…はい」
そして動画を配信したあとタクシーに乗って会いに行った。ついでに告白もしといた。バレバレかと思ってたけど普通に驚いてた。
ところで普通ってなに。
つづく
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りい(プロフ) - 個人的に気持ちに余裕がなくて趣味を疎かにしていて、久しぶりに占ツクに来て、まっさきに学パロを拝見しました。社長室さんの小説、やっぱり好きです。素敵な作品を、癒しをありがとうございます！ (2019年9月23日 4時) (
レス) id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！素敵な感想、本当に嬉しいです〜ノリノリで描いていったというよりは、すこし苦しみながらできあがっていったので、幸せを感じていただけたことを心から感謝します。ひみつのほうもぼちぼちやっていますのでまた読みにいらしてください〜 (2019年7月27日 22時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - 完結おめでとうございます！今更ながら、ひみつからきて読ませていただきました。もどかしい青春が詰まっていて、社長室さんの描かれるカンタくんととみなが先輩がたまらなく大好きです。とてつもない幸せに包まれました。ありがとうございます。 (2019年7月26日 11時) (レス) id: 04f6d975f4 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じょん、さん» コメントありがとうございます！学パロで終わらせておけばよかったのに大風呂敷をひろげて２に続きまして、リアルタイムで呼んでくださった方にはご迷惑をおかけしました…！短編のほうは地道にやりますので、またお暇なときにでも覗いてやってください！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - 名無し9253号さん» お付き合いくださりありがとうございました！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：社長室
| 作成日時：2019年6月5日 11時
