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緑 side
「おーくらは家庭的やな」
なんて、ヤスは言うてくれるけど…そんなん、ちゃうからな。
ただ、ヤスに酷いことせんために、ワンクッション、置いただけや。
浅ましくて、欲どしいのに、ヘタレな男やねんて。
まぁ、そんなん長い付き合いやし、今までが今までやから知ってるやろけどな。
手を繋いで風呂に行く途中、そんなことを考えてたら、先に上着を脱ぎかけてるヤス見てたら、思わず引き寄せてしもた。
アホみたいに抱きしめて、ヤスの高い体温を感じる。
「どないしたんな、えらい余裕無いな」
「当たり前やろ…」
「大丈夫やで、おれもちゃんと好きやから」
「ヤス…」
肩口に、口唇を寄せて。
きつく、吸い上げる。
「…ぁっ」
ヤスの口から甘い声が溢れて…俺の心からも、好きが溢れる。
「判ってるよ、大丈夫。けど、確かめさせてな?」
ヤスは黙って頷いた。
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「大丈夫?」
「…と、思うか?アホ」
「ごっ、ごめんなさい」
あの後、風呂入って散々抱いて、寝室でも散々抱いて…最後はヤス、気絶させてしもた。
ドロッドロのベタベタになってしもたから、また風呂場。
スパイラルコントのようにならないよう、邪念を持たないように、後処理して、体、洗わせてもろてるけど。
カスカスに、枯れた声と気怠げな姿もまた、唆る。
なんて。
…アカン?
うん、判ってる。
「おれ、海外ロケやって言うたのに…」
俺に凭れて入った湯船の中で、自分の体に痕跡が無いかを気にしてる。
「まぁ、ええやん」
「ええことあるかい!」
「送り迎えするし、荷物持つし…全部やったる。てかさせて?」
やっと普通の恋人同士になれてんもん。
「…ありがと///」
ベッタベタに、甘やかしたい。
ここまで来るのに何年かかったか。
こんな風に、穏やかに過ごしたい。
刺激もイベントも、何も要らん。
ヤスさえ、居ればええ。
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました!ようやく移行完了でございます!良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです!頑張ってください! (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月3日 8時