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青 side
おーくらが作ってくれた鍋をつつく。
「美味しい…」
そう呟くと、並んで座ってるおーくらはにっこり笑った。
「そら良かった」
「ほんま、料理上手いなぁ」
「そら愛情、たっぷり入ってるもん」
なんて話してたら、電話がかかってきた。
どうぞ、って手で示して、俺はまた食べ始めた。
「もしもし?あ、横山くん?…うん、うん」
ビールも進んで、お腹いっぱい…久しぶりにこの感じ。
「…あ、ちょっと待ってよ?ヤス、食べながら寝たあかんで?」
「寝てへん!」
『お、ヤス居るん?』
電話の向こうから、横ちょが声をかけてくる。
「おるある〜♪」
『ご機嫌さんやなぁ』
「えへへ」
照れ隠しに笑ってみせると、おーくらが、スマホを手渡してくれたので、茶碗と箸を置いて受け取った。
『ヤス、今度オレとどっくんとも一人とで新喜劇観に行くけど…おーくら、借りるわな』
「ええで〜」
『ヤス、素直になれたなぁ、えらいで』
「も一人って誰?あの共演者の娘?」
「惜しい、その息子や」
いつの間にか、おーくらも食べ終わって、おれに引っ付いて肩に顎を乗せて電話を聞いている。
「大丈夫なん?あ、横ちょが居るから大丈夫か」
「子供や言うても一年生やし、めっちゃカシコイねん。せやからヤスが心配するようなこと何もあらへんで」
息が、耳にかかる。
きゅっと腰に手を回されて、電話に気が逸れそうになった瞬間。
「ヤスみたいに、ヒナも素直になってくれたら良いのになぁ」
横ちょの淋しそうな声が聞こえた。
「横ちょ…」
おれが言うてええんかな。
もとい。
おれが言わなあかん。
おれは一つ息を吐くと、話し始めた。
「横ちょ、あのな」
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました!ようやく移行完了でございます!良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです!頑張ってください! (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月3日 8時