十六話 ページ23
何の油断もしていなかった。
作戦通り、バレドラ国を追い詰めてあと少しで完全に倒せる。
皆さんが全員でバレドラ国を叩こうとしたときだった。
最終兵器、何て物が現れたのは。
誰も予想しちゃいなかった。
バレドラ国側もその物自体の存在は上層部の人間しか知り得ていなかったらしく、自国の兵士、幹部をも殺す兵器だった。
把握していない兵器は、戦場区で大爆発を起こした。
相手国の幹部四名が弾け飛んだ。
其処で、
我々国の沢山の兵士、
コネシマさん
シャオロンさん
ゾムさん
ひとらんらんさん
四名が死んだ。
近接特化の幹部がやられた。
それはバレドラ国も同様に、一気にお互いが最悪の状況に叩き込まれる。
残った兵士同士の殺し合い、何と惨いんだろう。
でも、我々国側は死んだ上司達の敵討ちだった。
皆が城内の私達に聞こえる程、大声で言葉を発しながら走っていた。
"狂犬はコネシマ様だけじゃねえ！俺等もだ、噛み殺してやる！"
"逃げると思ったか！こちとらシャオロン様の部下だ！敗走など有り得るか、馬ァ鹿！"
"絶対殺してやる！ゾム様の、皆さんの意思を曲げるものかぁっ！"
"復讐は今するもんなんだろうな！絶対に許さねえ！"
泣いてた。
悲しい筈なのに足も手も緩めず、まだ終わっていない戦争を続けた。
でも、兵器の暴走は続く。
兵器は私達の居る城に向けて一発、大きな爆発を生み出した。
書庫の本が一気に落ちる。
エーミールさんが床に転がった。
「Aさんは....良かった、無事」
直ぐに起き上がって近付いてきた私を見て安堵のため息を吐いた。
でも城は大打撃、
しんぺい神さん、兄さんさんが、
部下を庇って死んだ。
オスマンさんが、大怪我を負った。
もう監視カメラは使えず、ロボロさんが特攻。
帰ってくることはなかった。
もう嫌だった。
目を背けたくなるような、ひどい情景が目の前に広がるのは。
何の力も持っていない歯痒さが、その思いを加速させる。
でもその中でエーミールさんは動いた。
「Aさん、私分かりました。
あの兵器、私なら止められる。」
そう言った瞬間、彼は走り出した。
訳も分からず私もその後ろを飛んで追いかける。
人気のない森の中を走る、行きも絶え絶えの中エーミールさんは泣きながら走った。
嗚呼、嫌だなあ。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
