十四話 ページ21
私は前世のあの日、何時ものように空を舞っていた。
花の蜜を採集したり自由に飛び回ったり。
大したことじゃない生活行動を平凡に行っていた
何も縛られずに直感だけで生きる。
確かに自由は素晴らしい。暇という概念がある生物は実際中々居ないのだから。
でも中身がなく生きている上で自分の人生を浪費しているとも捉えられるのも事実だった。
少なくとも私は暇で少しの時間帯一輪の花の中で休憩していた。
のに。
パンッ、と音が鳴ったかと思えば一瞬で目の前が真っ暗になった。
四方八方全てが闇。
状況を理解しきれておらず慌てていると。
「エミさーん！捕まえたでー！」
「本当ですかゾムさん？！」
二人の誰かの声、ますます慌ててしまう。
昆虫たかが一匹が人間二人に勝てるわけがない。
頭の中はパニック状態で取り敢えず思い付いたのは。
"大人しくしておこう。"
この一言に尽きた。
二人はその後何かを話していて、私を捕まえたまま何処かに移動を開始したらしい。
一方の私はもう死を覚悟していた。
小一時間程その状態が続いて、やっと周りが明るくなる。
「おー！飛んでた方が綺麗やな」
「本当ですねっ、本で見ていたより実物のほうが一番綺麗です！」
明るさに目を眩ませながらも急いで飛び出て上から当人達の姿を見た。
緑色のパーカーを着て私を見つめる若草色の瞳。
これがゾムさん。
そして、
ミルクティー色の光に透かされると透明なように見える髪、色素は薄いけど灰色がかった綺麗な瞳
それがエーミールさん。
蟲という存在がおこがましいけど、彼に目を奪われた。
恋情とは違う別の印象。
自然と彼の近くに寄っていた。
差し出された手に止まる。
あの頃から私はもう、呑み込まれていたのかもしれない。
でも、あの日。
あんな出来事が起きなければ、
もっと私は彼を知れたかもしれない。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
